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6G/第6世代通信向けキーデバイス│Vol.89

製品紹介 , 光技術解説

【sevensixTV】に第89弾の動画を更新しました。

0:59 マルチコアファイバ伝送について
3:11 マルチコアファイバカプラについて
5:39 マルチコアゲインフラットフィルタ(GFF)について

本日は、光ファイバ中の空間的な自由度を利用した多重化技術である「SDM(空間分割多重)」技術に関わる製品を紹介させていただきます。
具体的には、SDM伝送のうち、光ファイバ中に配置した複数の「コア」を利用して信号を多重する「マルチコアファイバ伝送」に関連する製品のご紹介となります。

■ 関連動画
KS Photonics / 最先端研究を支えるモード制御技術 | Vol.69    

++++(動画内より一部抜粋)+++++

0:59 マルチコアファイバ伝送について

はじめに、なぜ最近マルチコアファイバ伝送が改めて注目されているのか、その背景について簡単に解説します。

現在の通信インフラでは、高速・大容量通信が可能な5Gサービスの普及が進んでおり、データ通信量は今後さらに増大することが間違いありません。そのため、より高速・大容量を実現可能な通信インフラが求められています。最近では、マルチコアファイバ技術を利用した海底ケーブルや、データセンター向け応用での実用化が盛んに議論されています。

SDM(空間分割多重)技術


既存技術の限界とマルチコアファイバの役割

昨今、既存の光ファイバ通信網では、データ通信容量の限界が近づいていると言われています。 一般的に、長距離・大容量伝送には伝送損失が小さい「シングルモードファイバ(SMF)」が使用されてきました。これまでは「時間分割多重(TDM)」や「波長分割多重(WDM)」などの技術によって容量拡大を実現してきましたが、多重数が増えると入射光のパワーも増大し、ファイバがその強度に耐えられなくなるという物理的な限界(非線形限界)に直面します。
1本のファイバの伝送容量をこれ以上増やせなければ、ファイバの本数を増やすしかありません。しかし、本数を増やすにはケーブルの外径を太くする必要があり、収容スペースの問題が発生します。

この課題を解決するのが**「マルチコアファイバ(MCF)」**です。マルチコアファイバは、1つのクラッドの中に複数のコアを設けることで、外径を大きく変えずに1本のファイバとしての伝送容量を飛躍的に高めることができます。

3:11 マルチコアファイバカプラについて

まずご紹介するのは、韓国のメーカー KS Photonics(ケースフォトニクス)社の製品です。同社は、韓国科学技術院(KAIST)に拠点を置く、光ファイバデバイスの研究開発に特化したメーカーです。

独自技術「サイドポリッシュ方式」の強み

同社の最大の強みは、光ファイバのモード制御に関する高い技術力にあります。すべての製品において、高効率な伝送を可能にする「オールファイバ技術」を基本としています。

マルチコアファイバカプラの特長:

  • サイドポリッシュ方式: 各コアに対して直接結合が可能。
  • FIFO-less(ファンイン・ファンアウトなし): 複雑な接続デバイスを介さずに結合が可能。
  • 低損失・小型化: オールファイバ構造により、非常にコンパクトかつ低損失。
  • 高い結合率: 99%以上の結合率と、0.5dB以下の低損失特性を実現。

活用事例:マルチコア光増幅器(MC-EDFA)

実際の事例として、励起系のマルチコア光増幅器用「ポンプコンバイナ」や「タップカプラ」として同社の4コアファイバカプラが採用されています。これにより、ファンイン・ファンアウトなしで効率的なマルチコア光増幅器を構築することが可能になります。

ポンプコンバイナ/TAPカプラ(MCF中継器用)

5:39 マルチコアゲインフラットフィルタ(GFF)について

次にご紹介するのは、フランスに拠点を置く Exail(エグゼイル)社(旧iXblue Photonics)の製品です。同社は20年以上にわたりマルチコアファイバの製造実績を持つリーディングカンパニーです。

マルチコア伝送の品質を支える一括増幅技術

マルチコア伝送において、コアごとに異なる光信号を一括で増幅する際、波長ごとの利得(ゲイン)を平坦化することが重要になります。

製品の特長:

  • ゲインフラットフィルタ(GFF): すべての波長が同じ強度に復元されることを保証する光学デバイス。
  • カスタマイズ性: お客様のプロファイル設計に合わせたフィルタ製造が可能。
  • 優れた光学特性: 超低損失、低PDL/PMD特性を実現し、Telcordia規格にも準拠。

実測データの紹介

Exail社が実際に製造した「FBG型マルチコアゲインフラットフィルタ」の特性をご紹介します。

  • 対応波長: CバンドおよびLバンド。
  • 利得平坦度: 0.4dB以下。
  • コア間挿入損失誤差: 1dB以下。

これらのデバイスにより、マルチコアファイバがシングルコアファイバと同等の伝送品質を実現できれば、将来の「空間限界」を克服することが可能になります。

マルチコアゲインフラットフィルタ

今回は、次世代通信のキーテクノロジーであるSDM技術、その中でも「マルチコアファイバ伝送」を支える2つの重要デバイスをご紹介しました。

  • KS Photonics社: 高効率な結合を実現するマルチコアファイバカプラ
  • Exail社: 増幅品質を均一化するマルチコアゲインフラットフィルタ

セブンシックスでは、今後もSDM関連の最新製品を積極的にご紹介してまいります。 本内容についてのご質問や、詳細なデータシートをご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。


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