【sevensixTV】に第126弾の動画を配信しました。
00:04 WaveShaperについて
00:36 WaveShaper, WaveAnalyzer, プログラム
04:09 Matlab の旧プログラムと Python の新プログラムの違い
04:53 実施例
08:55 対応機種・アフターサポートについて
本製品に関するお問合せはこちら
WaveShaper を使い倒している当社の研究者・エンジニアが造った WaveShaper オリジナルソフトウェアをご紹介します。 python で書いたプログラムコード毎お渡しいたします。
当社からWaveShaper をご購入いただいたお客様は無料でご使用いただけますので、興味をお持ちいただけましたらお気軽にお問合せください。
■ 関連過去動画
▶ WaveShaper/光任意波形整形器:これ1台で自由自在?! │Vol.008
▶ 『WaveShaper』セブンシックス製ソフト① 任意スペクトル・パルス生成 │ Vol.010
▶ 『WaveShaper』セブンシックス製ソフト② 任意スペクトル・パルス生成 │ Vol.011
▶ 光ファイバコネクタ端面の損傷直せます!│Vol.103
++++(動画内より一部抜粋)+++++
00:04 WaveShaperについて
この動画は、Coherent 社の WaveShaper と聴いてピンとくる人向けの動画となっています。
WaveShaperは、最先端の光通信、光周波数コム、超短パルスファイバレーザーの
研究をしている人なら誰しもが持ちたい、持っている、そして学術論文で一度は見たことがある機器だと思います。
この動画では、そんな WaveShaper の当社オリジナルソフトウェアをご紹介します。
もし、WaveShaper についてご存じではない方や、WaveShaper をより詳しく知りたい方はこちらの
WaveShaper の紹介動画(WaveShaper/光任意波形整形器:これ1台で自由自在?! │Vol.008)の方を先にご覧いただければと思います。
00:36 WaveShaper, WaveAnalyzer プログラム
WaveShaper は、対応波長の光の振幅と位相をほぼ自由に扱える装置ですが、WaveShaper の使用目的はこちらにご紹介する 2 つに分類されると思います。
1: WaveShaper によって、システム内を伝搬する光波に多様な振幅の減衰、位相を与えてみて、その時の応答を観察すること。つまり、振幅・位相フィルタリングそのものが目的です。
2: 応用に適した光スペクトルを得ること、つまり、WaveShaper を用いた光スペクトル整形が目的です。
この 2 つの目的に対する WaveShaper の使用方法には若干の違いがあります。
システムへの振幅・位相付与そのものが WaveShaper の使用目的の場合、WaveShaper 単独での使用となります。
WaveShaper の使用目的が光スペクトル整形である場合、光スペクトラムアナライザと WaveShaper のフィードバック制御が必要となります。ここでは、光スペクトラムアナライザとして、Coherent 社の WaveAnalyzer を使用します。
WaveShaper の付属ソフトウェアである WaveShaperApp は、目的1 にしか対応できません。しかも、複雑な設定の振幅フィルタと位相フィルタを設定するのはとても手間が掛かり大変です。例えば、複雑なフィルタを作った後、フィルタを管理したり、研究グループ内の他のヒトに説明するにはどうすればいいでしょうか?
各フィルタの形状やパラメータを用いて説明することになると思いますが、面倒ではないでしょうか?
ファイル名にパラメータの情報全てを記載するのも現実的ではないと思います。また、後でこのフィルタの位相のみを調節したくなったときを考えてみましょう。
このとき、WaveShaperAppでは、位相情報だけ変えることはできないため、振幅情報も再度入力しなければいけませんが、振幅情報を確実にミスなく設定できるでしょうか?
目的1 でさえこういう状況ですから、目的2 の光スペクトル整形はもっと大変です。光スペアナで取得したデータを、エクセルか何かで記録・計算して、WaveShaper のフィルタ形状を計算・保存して、WaveShaper 用の .wsp ファイルを作って、WaveShaperApp でアップロードすれば、だれでもこのフィードバックループを作れます。しかし、それは面倒な作業ですし、光源のスペクトルが変わるごとにこれを繰り返すのは地獄です。
もしかしたら、この Youtube をご覧になっている方は2 のフィードバックプログラムを自作できるかもしれません。しかし、これもまた面倒ですし、WaveShaper と WaveAnalyzer という貴重なマシンを長期間占有してプログラムを作ることは難しいかもしれません。
そこで、我々はそんな WaveShaper ユーザーの方々のために、誰にでも簡単に扱える WaveShaper のオリジナルソフトウェア、SAF(サフ)を作成しました。
SAF は、エクセルと一緒にご使用いただく Python ベースのソフトウェアで、目的 1 と 2 のどちらにもご使用いただけます。
SAF はテキストファイル(.py)の状態で配布しますが、必要なパラメータはエクセル上で入力しますので、プログラミングに全く不慣れな方でもお使いいただけますし、プログラミング経験者であれば、必要に応じてプログラムのコードを書き換えていただけます。
以降は説明の都合上、目的 1 と目的 2 に対応するモードをそれぞれ、WF モードと、WAF モードと呼びます。
04:09 Matlab の旧プログラムと Python の新プログラムの違い
これまでも当社は、MathWorks 社の計算ソフトウェアであるMATLAB を用いたプログラムを作成し、当社のお客様に配布してきました。しかし、MATLAB は有料ソフトウェアであるためプログラムをご活用いただける方は限られていました。
それに対して SAF は python ベースのプログラムなので、完全無料でお使いいただけます。
SAF の基本的な使い方は MATLAB 版と同じです。機器を指定するための機器指定用のエクセルファイルと、フィルタ形状設定用のエクセルファイルの1 シート目(一番左のシート)使って、指定したWaveShaper ユニットでフィルタ形状を生成します。
フィルタ設定用のエクセルファイルは、WF モード と WAF モードの 2 種類があります。機器指定エクセルファイルフィルタ設定エクセルファイルプログラム3つに分けて設定の具体例を見ていきます。
04:53 実施例
こちらが、機器指定エクセルファイルの具体例です。必須の入力項目は IP address のみですが、このエクセルファイルを実験記録としてもお使いいただけるよう、各装置の種類とシリアル番号を記載できるようにしています。
エクセルの 2 シート目以降に様々な接続パターンを保存しておけば複数の WaveShaper や WaveAnalyzer を保有している場合や、Ethernet から USB 接続へなど通信方法の切り替えが発生した場合でも、シートの並び替えにより対応できます。
こちらがフィルタ設定用のエクセルファイルの具体例です。まずは、WF モード用のエクセルファイルですが、この次にお見せする WAF モードもほぼ同じ構成です。B ~ N 列の 13 項目からなる1行で一つのフィルタを定義しており、各セルの値を入力することで、フィルタ形状を制御できます。
行数を追加することでフィルタも追加できます。機器指定ファイルのように、フィルタ設定ファイルもエクセルの 1 シート目のみがWaveShaper にアップロードされるので、1 つのエクセルファイルの中に複数種類のフィルタ設定を記録しておけば、必要に応じてシートを移動させるだけで、WaveShaper の設定を変更できます。
次にこちらは WAF モードで用いるフィルタ設定ファイルの具体例です。こちらも、目標としている光スペクトラムの情報を定量的に表現できています。WF モードはフィルタを設定し、WAF モードは最終的な光スペクトルを設定するという違いによって、パラメータの定義が異なっています。
例えば、Filter Shape が Output spectrum shape になっていたり、Peak transmission が Peak power になっていますが、基本的な使い方は WF モードとほぼ同じです。
エクセルで機器とフィルタ形状を設定したら、あとは Python で書いたコードを実行させるだけです。
さまざまな実行方法がありますが、ここではVisual Studio Code を用いた使い方を説明します。といっても使い方は右上の実行ボタンをクリックするだけです。WF モードと WAF モードの切り替え頻度は多くないと思いますが、もしモードを切換えたい場合は、20 行目のテキストを書き換えるだけで切替が終わります。
本ソフトウェアは、WaveShaper と WaveAnalyzer 付属のソフトウェアと同時に利用できるため、WaveShaper の設定などをリアルタイムに確認し、また保存できますが、SAF もフィルタの設定や測定結果のグラフを出力できますので、必要があればグラフ出力機能を ON にしてください。
こちらが、SAF の WF モードを使って一発で作成したフィルタ例です。デモのため敢えて複雑なフィルタ形状にしています。右側の図は、今回はじめて対応できるようになった複数のバンドストップフィルタの実行例です。
なお、WaveShaperApp はバンドストップフィルタの設定機能はありますが、バンド幅しか設定できず、この例のようにバンドストップの形状や減衰量、位相を設定できません。
次は、SAF の WAF モードを使い、エクセルファイルを読み込んで整形した光スペクトルです。上の図では FSR 12 GHz の光周波数コムから、350 GHz 分をピーク値を揃えて取りだしています。下の図は、同じ光周波数コムのスペクトルをガウス型に整形した後の光スペクトルです。
WAF モードも WF モードと同じく振幅と位相を独立に制御できるため、スペクトル整形とパルス圧縮を同時に実行して、時間波形にペデスタルのないクリーンなフーリエ限界パルスを生成できます。
ちなみに、グラフ出力機能を ON にした場合の例がこちらです。レポート作成などにお役立ていただければと思います。
08:55 対応機種・アフターサポートについて
本ソフトウェア SAF は現行モデルの WaveShaper とWaveAnalyzer には対応していますが、本当に対応するのか不安に思う方もいらっしゃると思います。新規にご購入を検討されている WaveShaper の機種が対応機種かどうかを確認されたい場合は当社までお気軽にご相談ください。
また、現在保有されている WaveShaper が本ソフトウェアに対応しているかどうかを確認したい場合や、弊社での動作確認を依頼されたい場合もお気軽にご相談ください。
当社では、アフターサポートとして、有償とはなりますが、WaveShaper や WaveAnalyzer の日本国内での簡単な修理も承っております。
これまでの実績としては、損傷した FC/APC コネクタの補修古くなり動かなくなった冷却ファンの交換電源が付かなくなった WaveShaper のAC/DC コンバータの交換を実施してきました。
もし現在、例えば古くなり動かなくなった S series の WaveShaper をお持ちの方は当社までお気軽にご相談ください。
2025年中に、WaveAnalyzer を使わない フィードバック制御ソフトウェアWaveAnalyzer 専用ソフトウェアをリリースしたいと考えております。
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