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LDドライバ選定方法│Vol.107

製品紹介 , 光技術解説

【sevensixTV】に第107弾の動画を更新しました。

00:07 LDドライバについて
04:00 実験
04:39 まとめ

超短パルスファイバレーザー『iQoM』を対象に、ポンプ用のLDドライバの選定と比較的安価な製品を紹介し、動作実験を行います。『iQoM』は安定性が高いためLDドライバの性能に依存しません。使用するLDのタイプと定格を満たせば、ご紹介したもの以外のLDドライバも使用可能です。

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『『iQoM』製品詳細ページ

++++(動画内より一部抜粋)+++++

00:07 LDドライバについて

連続発振光源、CWLDを駆動させるドライバを選ぶとき、高性能な汎用ドライバ を選ぶのが手っ取り早いです。
しかし、汎用ドライバは高価であり、なかなか手を出しにくいものだと思います。

もちろん実験系が複数あれば使いまわすこともできますが、いちいちつなぎ変えるのは大変です。
そこで、用途に応じて安価なLDドライバを駆動させる選択肢があります。 今回は弊社で開発している超短パルスファイバレーザー『iQoM』を対象として、LDドライバを選定し、動作させるところまでをお見せします。

LDドライバの選定はいくつかの評価軸をもとに決定します。
今回の評価軸は安価で『iQoM』を駆動することを前提としています。そこから駆動要件と使いやすさという視点で、タイプ、定格、制御周期、インターフェースの4つの項目を評価軸として、条件を満たしているものを探します。

まずは使用するLDのタイプです。 『iQoM』はCWLDに 3SP Technologiesの1999CVBを使用しています。このような足がたくさんついているLDをバタフライ型LDと呼びます。温度センサやペルチェ素子が内蔵されており、高機能であることが特徴です。

14ピンのバタフライLDにはピン配置が数種類あり、1999CVBはタイプ1と呼ばれる配置です。

次に定格出力を見ていきます。LDのデータシートを確認すると、LD部分の定格+10%の電圧と電流は1.76V、1550mA とあります。運用方法によって適切な定格の出力が可能なLDドライバを選びます。

また、LDは入力したパワーの半分程度がロスし熱になります。十分に排熱できるよう、LDの定格だけでなくTECの定格も確認します。データシートにはTECは4.2V、3.2Aとあります。LDドライバの出力はこれを満たせばよいことがわかります。

制御周期は、アプリケーションによってLDの出力をどれくらいの帯域で制御したいかが異なるため、それに合ったものを探します。『iQoM』の場合は出力が安定しているため、あまり重視しなくても大丈夫です。
▶ 『iQoM』の振動安定性についてはこちら 超短パルスレーザー『iQoM』動作中に思いっきり振ってみた│Vol.73 

最後に外部出力ですが、DC電圧による制御、PWMなどのデジタルバルス、USBをつないでPCで制御できるものなどがあります。用途に応じて選択するとよいかと思います。

では、これらを踏まえて『iQoM』に使用できる10万円以下の既製品ドライバを2つご紹介します。

1つ目はLacosysのSmartPower XS 10-2です。Type 1のバタフライLDに対応しており、バタフライLDを基板とはんだ付けして使うドライバです。機能がシンプルでわかりやすいのが特徴です。

このドライバはLDをはんだ付けする必要がありますが、LDは熱、静電気にとても弱いデバイスなので、はんだ付けには注意する必要があります。

また、APC(光出力フィードバック)など制御機能は搭載されていないため制御する場合は外部回路が必要です。制御帯域はアナログで10kHz、ディジタルで2kHzです。

2つ目はMaimanElectronicsのLDドライバ、SF8150です。こちらは先のLDドライバと比べ、はんだ付けが不要で、Type1・2の両方に対応しており、USB経由でPCから制御が可能です。PCと通信してLDの制御を簡単に行うことができ、機能が充実しており扱いやすいです。制御帯域は出力の大きさによって異なり、1-3 kHzです。こちらはメーカー直版で400.00€(2024年3月現在)で、送料など含めて10万円程度で購入できます。

04:00 実験

ご紹介したLacosysのLDドライバで『iQoM』を発振させます。すでにバタフライLDがはんだ付けしてあります。
下記のように配線します。

出来上がったものがこちらになります。
このように比較的安価なLDドライバを使っても、『iQoM』を簡単に使うことができます。

04:39 まとめ

今回は、比較的安価なLDドライバを使用して、『iQoM』がモードロックすることを確認する実験をしました。
PD(フォトダイオード)を使用することで光出力をフィードバックし、制御することも可能です。

現在、『iQoM』をもっと使いやすい製品とするべく、アンプ部分、インターフェースの開発を行っています。

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