応用の代表例として、光高速通信があげられる光変調器。基本的な原理について説明します。
1. 光変調器とは
光変調器とは、高速な時間信号の生成するための変調器のことを指します。一般に光通信システムに組み込まれており、光の強度や位相、周波数などを時間的に変化させることで、送りたい信号を光に乗せるデバイスです。
光変調器の原理と構造
光変調器は、高速な変調を行うために、駆動電力と静電容量を低減する導波路型の構造をした変調器が一般的です。
この構造のため、ファイバとの結合が容易となり、半導体レーザーとの集積化も可能となっています。また通信用においてGHz以上の高速変調が可能なものが求められています。
10GHz程度までは半導体レーザーを直接変調することで対応が可能ですが、入力する光のキャリアの強度によって活性層の屈折率が変化するため光の波長と位相が変化して、変調した光にチャープが生じてしまいます。
そのため、超高速な光信号、約10GHz以上の広帯域な信号の伝送には直接変調はあまり向かず、外部変調が用いられます。
直接変調と外部変調
光変調器の変調方式は搬送波であるレーザーの発生と変調を同時に行う直接変調と光源とは別の変調器で行う外部変調があります。
直接変調は電流制御により、半導体レーザーの出力強度を直接変調する方式が代表的です。しかし、半導体の応答速度の問題から超高速的な通信には対応できません。そのため安定性が求められる光通信伝送には外部変調方式が一般的に用いられています。
外部変調方式は、光源の半導体レーザーは一定の光を出力し続けて、外部変調器で、外部電圧によって屈折率や吸収係数を変化させることで、変調を行っています。
機械式変調や、電気光学効果、音響光学効果がよく用いられています。
図直接変調方式と外部変調方式の概略図
2. 光変調器の種類と特徴、用途
高速光変調器
時間領域で光を変調する高速変調器、強度変調と位相変調があり、変調をかける方法でよく使われるものが外部電界を結晶に印可したときの電気光学効果を利用した変調であり、LN結晶を用いたバルク型の光変調器が代表例として挙げられます。高速変調を行うためには導波路型の光変調器が用いられます。
応用例:光通信分野
空間光変調器
空間領域で光を変調する空間光変調器、空間変調とは均一な強度または位相分布をもつ光に2次元的な強度、位相分布を乗せることです。空間光変調器は、入力信号が電気の場合と光の場合があります。入力信号が電気の電気アドレス型空間変調器の代表的な応用例は液晶ディスプレイが挙げられ、高輝度、高解像度な画像を出力できます。また入力信号が光の光アドレス型空間変調器は入力信号が光であるため高速的な処理が可能です。
応用例:液晶ディスプレイ、光情報処理分野
3. まとめ
- – 光変調器は強度、位相を変調するもの、時間領域または空間領域で変調するものなど用途や目的により
様々な種類の光変調器があります。 - – 現在ではLN結晶を用いた光変調器で40Gbit/sの高速変調が可能となっています。
光変調器
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