製品概要
SuperK COMPACT は 450 – 2400 nm という広帯域スペクトルを出力する 小型・低価格な Supercontinuum レーザーです。シングルモードファイバ ( SMF ) から射出される Supercontinuum レーザーは輝度が高く、ハロゲンランプ、キセノンランプと比べて 10 倍以上も長寿命です。
出力方式は 高性能コリメータ もしくは FCコネクタ ( FC/PC or FC/APC ) からお選びいただけます。
同じSMF出力の ASE 光源、SLD光源と比べても非常に広帯域であるため、これらの光源を使用しているシステムにもスムーズにお使いいただけます。SuperK COMPACT は、その扱いやすさと価格から、材料評価、光部品試験、分光、光コヒーレンストモグラフィなど、広帯域光源を必要とする多くの研究・測定システムに採用されています。ランプと比べると輝度が高く、長寿命であることから、生産現場での検査・測定におけるスループットの向上と、光源交換による運用コストの削減に貢献します。
特長
- 低価格な広帯域レーザー光源
- 高輝度かつ長寿命
- 入力パルストリガ対応
- 繰返し周波数可変 : 1 Hz ~ > 20 kHz
- 豊富なフィルタアクセサリ
- アライメントフリー、メンテナンスフリー
- SMF 出力、コリメート時 M2 < 1.1
- 無偏光 ( Un-polarized )
- 24/7 オペレーション
- 小型・軽量 220.5 (W) x 93 (H) x 367 (L) mm、 3.8 kg
SuperK COMPACT : Supercontinuum レーザーの特長
Supercontinuum 光源の用途のほとんどは、広いスペクトルの中から限られた領域を選択的に抜きだして使います。
このような用途のために、 NKT Photonics は必要なフィルタリング機能を提供する Plug & Play の SuperK アクセサリ を
提供しています。SuperK アクセサリ についてはこちらのページをご参照ください。
なお、SuperK COMPACT の Supercontinuum レーザーのフィルタリングにお勧めの SuperK アクセサリは、SuperK SPLIT と SuperK VARIA です。 これらのアクセサリは、NKT Photonicsが無償提供している GUI CONTROL software を用いて制御するか、NKT Photonics が無償配布している各種言語のソフトウェア開発キット (Software Development Kit) を用いた自作プログラムにより制御することができます。
■ 全波長スペクトル
SuperK COMPACT のスペクトルは 450 – 2400 nm に連続的に広がっています。450 – 850 nm 領域での平均出力は 20 mW、トータル ( 450 – 2400 nm ) の出力は > 110 mW です。SuperK COMPACT は、SuperK FIANIUM の 数% 程度の平均出力ですが、それでもハロゲンランプ、キセノンランプと比べると 30 dB以上強力な光源です。
SuperK COMPACT のパルス幅は < 2 ns 、繰返し周波数は 1 Hz- 約 20 kHz の間で可変です。パルス幅がナノ秒オーダーで、繰返し周波数が低いため、リアルタイムのイメージングや生体材料にはあまり向かない光源と言えますが、デバイス評価などの産業用途には非常に向いている光源といます。
外部入力
SuperK COMPACT は繰返し周波数可変のパルスレーザーです。外部トリガ入力ポートがあり、低ジッタにパルス出力を 最大 20 kHz まで対応し、トリガ信号は インピーダンス 50 Ω のBNCコネクタ か、ガルバニック絶縁された ±30 V トリガに対応します。
仕様詳細
光学仕様
スペクトル範囲 | 450 ~ 2400 nm |
全出力パワー | > 110 mW |
可視光パワー(350-850 nm) | > 20 mW |
出力パワー安定性 | < ± 1.0 % (± 0.5 % on request) |
ウォームアップ時間 (パワー安定性) | ~30分 (代表値, 室温) |
繰返し周波数 | 1 Hz ~ > 20 kHz |
出力パルス幅 | < 2 ns |
パルス間ジッタ | < 2 μs (パルス繰り返し周波数により異なる) |
出力ファイバ | シングルモード |
出力端 | コリメータ、FCコネクタ ( FC/PC or FC/APC ) |
ビーム径 (コリメータビーム) | 1 mm @ 532 nm 2 mm @ 1100 nm 3 mm @ 2000 nm |
M2 | < 1.1 |
偏光 | 無偏光 |
ビーム出力 | ガウシアン、シングルモード |
機械 / 電気 / 環境 仕様
冷却方法 | 13 |
稼働電圧 | 100-240 VAC, 50-60 H |
消費電力 | < 40 W |
コンピュータインターフェース | USB |
パルスシグナル出力 | アナログ / デジタル |
トリガ入力 | スタンダード / インダストリアル (直流的に絶縁) |
ドアインターロックコネクタ | 2-pin LEMO 0B |
外部busコネクタ | 15-pin D-sub |
寸法(WxHxL) | 220.5 x 93 x 367 mm |
重量 | 3.8 kg |
使用温度 | 15 ~ 30 °C |
保管温度 | 5 ~ 50 °C (結露無し) |
湿度 | 20-80 % RH |
用途
- デバイス評価
- バイオ/医療/イメージング
- フローサイトメトリー
- 分光
- 産業用OCT
- 研究/医療用 OCT
- 蛍光イメージング・測定
- 顕微鏡
- ランプ、SLD、ASE 光源の置き換え
- FBG の特性評価
- CWDM / DWDM 部品の評価
- 3Dディスプレイシステム
産業用途
SuperK COMPACT は、小型・低価格・長寿命であるため、研究用途よりも産業用途に向いています。標準品は筐体から出ている Photonic Crystal Fiber の先端にある 高性能コリメータ もしくは FCコネクタ ( FC/PC or FC/APC ) から Supercontinuum レーザーが出力されます。
用途によっては Photonic Crystal Fiber の先に SMF-28、HI1060 (HI1060 FLEX)、MMFを融着接続できます。より長いファイバ長へのカスタマイズ、短波長用ファイバやラージモードエリア ( LMA ) ファイバ の融着接続も可能です。それぞれのカスタマイズ時のメリット、デメリットについては具体的なご要望が出たときにご説明させていただきます。
SuperK COMPACT の構成
SuperK COMPACT は、小型で安価なマイクロチップレーザーを種光源として、NKT Photonics が本製品用に開発した Photonic Crystal Fiber を組み合わせるだけのシンプルな構成です。
SuperK COMPACT のスペクトルを見ると、1064 nm 付近に大きなピークがみられますが、これは SuperK COMPACT の種光源として用いているマイクロチップレーザーのスペクトルを示しています。こちらの Application note ”Compact ultra-bright supercontinuum light source”をご覧いただければ、どなたでも SuperK COMPACT と類似した Supercontinuum レーザーを生成できます。
現在の SuperK COMPACT は 第4世代です。NKT Photonics は世界中の企業・研究機関と研究のコラボレーションをする一方で、エンジニアリングにも資本を投入しています。
2016年は、各波長における出力安定性の改善が行い、波長毎の安定性を 0.5 dB から、0.2 dB に改善しました。
NKT Photonics は、これからもユーザの研究開発、経済活動を促進すべく、品質改善に努めます。
解説・関連動画▼
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『NKT Photonics社スーパーコンティニュームレーザー』神解説│Vol.006