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光伝送の仕組み/光増幅器(EDFA)編│Vol.95

光技術解説

【sevensixTV】に第95弾の動画を更新しました。

01:00 EDFAの概要
02:35 EDFAの原理
05:18 増幅率は波長に依存する?
08:28 まとめ

2020年5月27日に『もっと身近な光伝送の活用と仕組みのお話』をテーマに当社プライベートセミナーを開催し、『光伝送の仕組み:損失・増幅・分散』というタイトルのお話をして、好評をいただきました。

今回はそのセミナーの一部を切り出し、アップデートした内容をお話しします。 光伝送の構成要素にである「光増幅器:EDFA」にフォーカスし、構造や原理にまで踏み込みながら、どのような仕組みで増幅されるのかについて説明します。 みなさんが普段感じている疑問点、もやもや感が、少しでもすっきりすれば嬉しいです。

■■ セブンシックスプライベートセミナーの録画動画
日付:2020年5月27日
タイトル:『光伝送の仕組み:損失・増幅・分散』
スピーカー:セブンシックス 株式会社 技術部 中村 亮介

■■ 2023年ジャパンプライズ関連情報 受賞記念講演   
 中沢正隆 博士 「半導体レーザー励起EDFAの発明と光ファイバーが創るICTの未来」
受賞業績記事 https://www.japanprize.jp/data/prize/…

■■ 動画内製品紹介 光増幅器 取り扱い製品一覧

++++(動画内より一部抜粋)+++++

光増幅器にはいくつか種類がありまして、今回は一番広く使われているエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)
についてお話しします。

EDFAを波長分割多重方式で使用する場合には、波長依存なく均一に増幅したいというご要望があると思います。
今回は、なぜ波長に依存するのか、どのような原理なのか、について基本に立ち返って説明することに挑戦したいと思います。

▼ この図はEDFAの概要図です。こちらのエルビウム添加ファイバに励起レーザーがこのように入力されます。
励起レーザーが入力されている状態で入力信号が入り、増幅されます。

▼ 次に、エルビウム添加ファイバ内での中で何が起こっているのか、についてです。
ファイバーの中に丸で示したようにエルビウムが添加されています。励起レーザーが入ってくると、エルビウムとしては二つの状態のどちらかの状態をとります。それらを「基底状態」「励起状態」と呼びまして、緑色、赤色の丸で表現しています。

▼ 「基底状態」「励起状態」について少し詳しく説明します。これはエルビウムの状態を表す模式図で、エネルギー準位図と呼ばれています。上へ行くほどエネルギーが高い状態を表しています。もしエルビウムに励起レーザーが入っていなければ、一番エネルギーの低い「基底状態」にあります。

▼ そこへ、0.98umの波長をもった励起レーザーが入力されると、「励起状態2」に上がって、瞬く間にエネルギーの一部を熱として放出して「励起状態1」の状態をとります。

▼ しばらくはこの状態にいるのですが、ミリ秒ぐらいたつと、自然に光を放出するか、後ほど説明する誘導放出という現象を伴って再び基底状態に戻ります。つまり、エルビウムとしては、基底状態か励起状態、この二つのどちらかの状態をとるということです。

▼ 次に、各状態において、そこにもし1.55umの信号光が入ってくるとどうなるか。基底状態のいる場合に1.55umが入ってくると、その光は吸収されてしまって、結果として「損失」になってしまいます。


▼ 逆に励起状態にある場合には、1.55umの信号光は誘導放出を生じさせます。それはどういう現象かというと、もともと入ってきた光は出ていくのですが、さらに全く同じ光が増幅されて出てきます。このプロセスはつまり増幅となります。

▼ ここでいったん整理します。エルビウムの状態として、基底状態が多い場合。つまり、励起光が相対的に弱い場合とか、添加量が多い場合、このときに信号光が入ってくると、吸収されてしまって「損失」。

▼ 逆の場合、励起状態が多い場合は信号光は「増幅」されます。

ーーーーー(省略)ーーーーー

▼ 今回、光伝送の仕組みについてかなり原理的なところから説明しました。ただ、信号強度が非常に強くて飽和するようなケースとか、媒質中を伝搬しながら増幅されていくようなケースには触れませんでした。

このようなより現実に近い系については、Vol.50の動画を参考にしていただければと思います。

光ファイバ増幅器の設計と数値解析│Vol.50

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