YouTube動画

【外観検査のための】HSV色空間による画像処理と色抽出│Vol.91

光技術解説

【sevensixTV】に第91弾の動画を更新しました。

00:33 画像処理と色空間
05:36 HSV色空間で見える世界
08:06 人間と機械の画像処理

画像処理技術は、今や私たちの生活に欠かせないものとなっています。
特に製造現場における「外観検査」では、画像からいかに適切な情報を抜き出すかが重要です。
今回は、カラーカメラを用いた検査において、人間の感覚に近い処理を可能にする「HSV色空間」について、デモを交えて解説します。

▶ 『3D検査』関連動画はこちら

++++(動画内より一部抜粋)+++++

00:33 画像処理と色空間

本日は「画像処理とHSV色空間」についてお話しします。最近の流行りは画像生成かもしれませんが、画像処理は今や誰もが当たり前に使っている、生活に欠かせない技術です。
私たちが画像処理に共通して求めているのは、**「画像に含まれる情報から、必要な情報を適切に抜き出すこと」**です。それを実現するために、さまざまな手法が存在します。

当社の3次元計測検査装置「Spector(スペクター)」は、カメラで撮影した画像から適切に輪郭を選び出し、3次元データを出力します。画像処理は、外観検査において欠かせない技術であると言えます。
通常、光切断法を行う検査装置は単色光とモノクロカメラを使用しますが、モノクロですべての検査ができるわけではありません。場合によってはカラー画像を取り扱う必要があります。今回は、カラーカメラを用いた検査のための画像処理に焦点を当てます。

Spextorの画像処理


05:36 HSV色空間で見える世界

色に関する画像処理は、実はかなり大変な処理です。その理由の一つに、コンピューターの色作りと人間の感覚がマッチせず、指定が難しいことが挙げられます。まずは「色空間」という考え方を紹介します。

RGB色空間

RGBは「赤(Red)」「緑(Green)」「青(Blue)」の光の三原色を混色して色を表現する、コンピューターの基本的な方式です。

RGB色空間

HSV色空間

次に紹介するのが「HSV色空間」です。これは「色相(Hue)」「彩度(Saturation)」「明度(Value)」の頭文字をとったもので、1978年にアルヴィ・レイ・スミスによって提案されました。

HSV色空間

H(色相): 0(赤)から始まり、緑、青を経て、一周すると赤に戻ります。

S(彩度): 値を大きくすると鮮やかに、小さくすると白に近づきます。

V(明度): 小さくすると黒に近づきます。

HSV色空間の最大の特徴は、「人間が直感的に理解する色の表現」ができる点にあります。

例えば、先ほどの「複数の紫色の画像」をHSVで表現すると、H(色相)の値がほぼ一致します。これにより、「だいたい何色であるか」という処理を、パラメーターから直感的に考えることが可能になります。

HSV色空間の利点

色抽出の比較

画像から「白」を抜き出したい場合、RGB上でその範囲を探すのは非常に大変です。しかし、HSV色空間であれば、S(彩度)が低いところを白っぽい箇所として指定するだけで、容易に抽出が可能です。他の色の抽出も、RGBよりはるかに容易に行えます。

HSVの利点

08:06 人間と機械の画像処理

実際にHSV色空間で見ると世界がどう変わるのか、デモを用意しました。 スマートフォンの裏側に、2種類のテープ(スコッチテープと養生テープ)を貼り、あえて光を遮って暗い状態で撮影しました。

元画像(RGB)ではテープの判別が非常に難しい状態ですが、これをHSVの各成分に分解してみます。

  • ● H(色相)の画像: 養生テープの方は比較的分かりやすくなります。
  • ● S(彩度)の画像: 両方のテープの場所が明確に判別できます。スコッチテープもはっきりと分かります。
  • ● V(明度)の画像: 元画像と同様、判別が難しいです。

この結果から、今回のケースではS(彩度)で見ることが最も判別に適していることが分かります。このように、普通の視界では探しにくいものも、色空間を変換して「見方を変える」ことで、劇的に見やすくなることがあります。

人間の視覚は非常に優れたセンサーと処理機能を備えており、それをコンピューターで再現するのは簡単ではありません。

外観検査において、人間はいろいろな方向から見たり、光の当て方を変えたりして欠陥を探します。機械で同等の検査を行うためには、適切なハードウェア(カメラ・照明)の選定に加え、アルゴリズムや評価基準、パラメーターの精密な調整が必要です。

  • ● カメラの露光時間やゲイン調整
  • ● ホワイトバランスの調整
  • ● 照明条件による色相の変化への対応

セブンシックスでは、センサー部分の設計やキャリブレーションのノウハウを軸に、画像処理技術や3次元点群処理技術を開発しています。通常では困難なワークを対象とした開発も行っております。
今後も、こうした開発の知見をお届けしていきます。

#セブンシックス
#外観検査
#画像処理
#カラー画像処理
#HSV色空間