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【ECOC2025 現地レポート】AIが変える光通信の最前線を徹底解説!│Vol.142

業界・ビジネス動向

【sevensixTV】に第142弾の動画を配信しました。

00:06 ECOC 2025 開催概要
00:32 今年のキーワードは「AI × 光通信」
00:51 CPOとELSFP 〜AI時代の光インターフェース
02:04 冷やす技術も進化「Immersion Cooling」(液浸冷却)
02:27 DCOとCoherent-Lite、次世代高速伝送
03:18 新しいファイバ技術(ホローコアファイバ、マルチコアファイバ)
04:05 超高密度光コネクタと光スイッチ
05:20 まとめと所感

今回は、2025年9月29日〜10月1日までデンマーク・コペンハーゲンで開催された「ECOC 2025(European Conference on Optical Communication)」の現地レポートをお届けします。
来場者8300人、出展企業340社という世界最大級の光通信イベントで、今年最も注目を集めたキーワードは「AI × 光通信」でした。 AIデータセンターの爆発的な需要を背景に、光通信業界がどのように進化しているのか? CPO(Co-Packaged Optics)やELSFP(External Laser SFP)といった次世代インターフェースから、液浸冷却、新しいファイバ技術まで、AI時代のインフラを支える最前線の技術トレンドを徹底解説します。

00:06 ECOC 2025 開催概要

来場者はおよそ8300人、出展企業は340社。
光通信業界における世界最大級のイベントのひとつです。

00:32 今年のキーワードは「AI × 光通信」

今年のECOCを一言で表すと、「AIデータセンターが光通信を変える年」でした。
技術セッション「Market Focus」では、全53セッション中6割以上がAI/データセンター関連。
通信キャリア向けの話題は一部にとどまりました。
つまり、今の光通信業界はAI時代のインフラをどう支えるかが最大のテーマ。
その潮流を象徴する技術として注目を集めたのが、CPO(Co-Packaged Optics)ELSFP(External Laser SFP) です。

00:51 CPOとELSFP 〜AI時代の光インターフェース

CPOは、演算装置と光トランシーバを一体化して、通信の遅延や消費電力を大幅に削減する技術。
Broadcom社の発表では、従来のプラガブルトランシーバ対比で65%の消費電力削減を実現したとの報告がありました。
このCPOを実用化する上での課題が、保守性と冷却性です。

Broadcom社の発表では、従来のプラガブルトランシーバ対比で65%の消費電力削減を実現したとの報告

その解決策として登場したのがELSFPです。
光源をモジュール外に分離し、レーザーを交換可能にすることで、信頼性を高めるアプローチが各社で進んでいます。
ちなみにこのELSFPは1つのトランシーバ内に出力24dBmものハイパワーレーザ光源が8つも搭載されています。各光源は、CPOの光エンジン内で分岐され、それぞれが独立した光源として使用される設計になっています。これはCPOに必要とされる例えば512chもの光源を個別に搭載することが困難であることから発案された方式です。

展示ではCoherent、Lumentum、Marvel、NTTイノベーティブデバイスなどが最新プロトタイプCPOを披露していました。

CPO:Coherent、Lumentum、Marvel、NTTイノベーティブデバイス

02:04 冷やす技術も進化「Immersion Cooling」(液浸冷却)

AI向けデバイスの高密度化に伴い、空冷では足りなくなってきています。
そこで注目されているのが液浸冷却(Immersion Cooling)
光トランシーバを電気を通さない液体に浸して冷却する仕組みで、FormericaOE社やLessengers社が実機デモを行いました。エネルギー効率・スペース効率を高める技術として、データセンターの持続可能性にもつながる注目分野です。

冷やす技術も進化「Immersion Cooling」

02:27 DCOとCoherent-Lite、次世代高速伝送

引き続き話題だったのがDCO(Digital Coherent Optics)
800ZR/ZR+モジュールはハイパースケーラーで採用が進んでおり、市場規模は2029年には50億ドル規模になる見通し。
また、短距離向けの低遅延・低消費電力型「Coherent-Lite」も登場。
Terahop社は2026年に800G、2027年に1.6Tの量産を目指すと発表しており、データセンター間リンクの新しい形として注目を集めました。
Coherent-Liteは、従来のC-band Tunable LaserをつかったDCOとは全く異なり、使用する波長は波長分散の影響の少ないO-band 1310nm帯、また400G×2波長を多重して800Gを実現するPoint to Point伝送のみのため、どちらかというとIMDDの光トランシーバに近いものになっています。

DCOとCoherent-Lite、次世代高速伝送

03:18 新しいファイバ技術(ホローコアファイバ、マルチコアファイバ)

今年は「光ファイバ」分野も大きな進展がありました。 まずはホローコアファイバ(HCF)
コアがガラスではなく空気(中空)構造となっている全く新しい光ファイバで、光がガラスに比べて屈折率と損失の極めて低い空気中を通るため低遅延・低損失が特徴です。
ガラスファイバに比べて製造が難しいことから、これまで長尺生産が難しいことが課題と言われていましたが、YOFC社は40〜50km級の長尺生産を実現したと発表、CoherentやEXFOも関連機器を展示していました。

ホローコアファイバ

さらに、マルチコアファイバ(MCF) も進化。
Googleが海底ケーブルに採用を開始したことで注目が高まり、アンリツや住友電工が関連製品を展示。
AIデータセンターの内部配線にも応用が期待されています。

04:05 超高密度光コネクタと光スイッチ

高密度実装の流れの中で、
VSFFコネクタ(Very Small Form Factor) の存在感が増しています。
SENKOのSN-MTやUSCONECのMDC、CorningのMulti-Core MMC16など、従来のLC/MPOコネクタよりも小型で高密度実装を可能とする光コネクタで、これもAIデータセンターの広帯域NW需要にけん引され注目されています。
例えばSENKO社のSN-MTコネクタでは、1Uで最大3456心とMPO16コネクタの1.8倍もの高密度実装が可能です。

また、光スイッチ技術もAIネットワーク向けに再注目。AIクラスターにおけるGPU間クロスコネクトに光スイッチを適用し、従来のOE変換基盤の電気スイッチに比べて消費電力や遅延を画期的に改善する技術として引き続き注目を集めていて、今年は7社の出展が見られました。

特にCoherent社は、内臓する液晶素子のビームステアリング機構によるスイッチングを採用しており、可動部がないことから高い信頼性を謳っています。一方で、ロスが他方式に比べ高い弱点を補うためにロスバジェットを補強した光トランシーバとのセット提案を行っていました。

05:20 まとめと所感

今回のECOC2025では、OFCに続いて
AI・コンピューティングを支える光技術の進化が鮮明に見られました。
CPOやLPO/DCOなどの光トランシーバは、AI計算基盤の持続的な高性能化を支える技術として実用化フェーズに入ってきていますし、更に将来的にはホローコアファイバやマルチコアファイバなどの次世代光ファイバ技術の導入にも注目していきたいと思います。