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データーセンターニュース ピックアップ: 25/7-8月│Vol.140

業界・ビジネス動向

【sevensixTV】に第140弾の動画を配信しました。

00:17 今回のピックアップ記事一覧
00:23 ラピダス:2ナノ半導体の試作品を初公開
00:55 AI普及による電力課題に対し、IOWNを商用化
01:31 東京大学:光量子コンピューターのデータセンター導入構想
02:11 東電PG・日立:電力系統連携型エネルギーマネジメント技術を確立
02:49 NTTスマートコネクト:曽根崎DCにMegaport接続拠点を開設
03:25 アット東京:セキュアDC内に「ATBeX 東京西 AP」を開設
04:16 さくらインターネット:生成AI向けクラウド『高火力 VRT』正式版提供
04:56 三菱重工業:米Modius社と提携し、DC運用最適化を支援
05:32 米メタ:数十兆円規模のDC投資
06:07 富士通:1万量子ビットを超える超伝導型量子コンピュータ
06:46 主要記事まとめ

AIの普及に伴い、データセンターの需要は爆発的に増加し、インフラ競争が激化しています。 この動画では、2025年7月15日〜8月14日までの期間で、データセンター関連の最新ニュース10選を深掘り解説します。 国内の先端技術開発から、電力問題への取り組み、そして海外の巨大投資まで、AI時代を支えるデータセンターの「今」と「未来」がわかる内容です。 特に、GPUに代わる可能性を秘めた「光量子コンピューター」の話題は必見です。

00:17 今回のピックアップ記事一覧

今回は国内を中心に、技術開発と新しいサービス関連を中心にまとめてみました。

今回のピックアップ記事一覧

00:23 ラピダス:2ナノ半導体の試作品を初公開

ラピダスが北海道で2ナノ半導体の試作品を初公開しました。

これはAIや自動運転などデータセンター需要に不可欠な最先端半導体の国産化に向けた大きな一歩です。2027年の量産開始を目指していますが、課題は顧客獲得と資金調達。TSMCやサムスンなど海外勢が先行する中、日本企業が安定調達できれば、AIデータセンターの供給網を国内で支えることが可能になります。国内半導体復権の試金石として、ラピダスの取り組みは大きな注目を集めています。

ラピダス:2ナノ半導体の試作品を初公開

00:55 AI普及による電力課題に対し、IOWNを商用化

NTTの島田社長は、AI普及で急増するデータセンター需要と電力消費の課題に対し、独自技術「IOWN」を商用化すると発表しました。
IOWNの中核は「光電融合」で、電気配線を光に置き換えることで大幅な省電力を実現します。2026年には光電融合デバイスを商用化し、サーバーなどへ展開予定です。さらに2028年にはCPUやGPUを光で直結し、電力供給を最適化することで従来のコンピューター構造を刷新する計画です。米NVIDIAやBroadcomも同方向の技術を開発しており、グローバル連携を視野に入れたデータセンターの省電力化競争が加速しています。

AI普及による電力課題に対し、IOWNを商用化

01:31 東京大学:光量子コンピューターのデータセンター導入構想

東京大学の古沢教授は、光量子コンピューターを2030年にもデータセンターへ導入する構想を示しました。

現在、AIの学習にはGPUが膨大な電力を消費していますが、光量子コンピューターは常温で動作でき、電力消費を大幅に削減できるのが特長です。今後はGPUに代わる役割を果たし、AI計算の効率化に直結する可能性があります。また、光通信の仕組みに近いため、NTTなど通信事業者との連携や、日本の光学メーカーとの協業で大量生産体制を整えていく方針です。電気から光へ移行する流れは不可避であり、データセンターの省エネ化と持続可能性に向けた大きな一歩となりそうです。

東京大学:光量子コンピューターのデータセンター導入構想

02:11 東電PG・日立:電力系統連携型エネルギーマネジメント技術を確立

東電PGと日立は、複数エリアにまたがるデータセンターを活用した電力系統連携型エネルギーマネジメント技術を確立しました。
今回の実証実験では、東京都内2カ所と神奈川県内1カ所のデータセンター間で、生成AIアプリのワークロードをシフトすることで、各データセンターの消費電力を調整。これにより、電力需給バランスを最適化し、再生可能エネルギーを最大限に活用することが可能になりました。実験では、ワークロードの移行による電力調整を1秒以下のダウンタイムで行い、一次・二次調整力市場の要件を満たすことも確認。今後は、この技術を用いて、カーボンニュートラルや電力の安定供給、社会コスト削減に貢献する計画です。

02:49 NTTスマートコネクト:曽根崎DCにMegaport接続拠点を開設

NTTスマートコネクトが、曽根崎データセンターにMegaportの接続拠点を開設しました。

Megaportは、AWSやAzure(アジュール)、Salesforceなど、世界中のクラウドサービスに接続可能なマルチクラウド接続サービスを提供しています。これにより、データセンター内からさまざまなクラウドへのアクセスがより迅速かつ柔軟に行えるようになります。さらに、国内初のインターネットエクスチェンジサービス「MegaIX」も提供開始。これにより、企業は低遅延・高速通信の環境で、帯域幅を柔軟に調整しながらグローバルネットワークを効率的に構築可能です。NTTスマートコネクトは、この連携を通じて、顧客のビジネス効率化とグローバル展開を支援していきます。

NTTスマートコネクト:曽根崎DCにMegaport接続拠点を開設

03:25 アット東京:セキュアDC内に「ATBeX 東京西 AP」を開設

アット東京は、セコムトラストシステムズが運用するセキュアデータセンター内に、新たなアクセスポイント「ATBeX東京西AP」を開設します。サービスは10月1日開始予定です。
ATBeXはデータセンター間接続だけでなく、メガクラウドやISP、通信キャリア、コンテンツ事業者など、多様なサービス事業者への柔軟な接続を可能にするネットワークプラットフォームです。今回のATBeX東京西APは、セキュアデータセンターキャンパス内の各館と直接接続できるようになり、利用者はよりスムーズにネットワークサービスにアクセスできます。さらに、全国に広がるATBeXネットワークを活用することで、セキュアデータセンターと全国のデータセンター間で広域かつ柔軟なネットワーク環境を構築可能です。これにより、データセンターの利便性と接続性が大幅に向上し、クラウド利用やビジネスサービスの拡張が一層進みそうです。

04:16 さくらインターネット:生成AI向けクラウド『高火力 VRT』正式版

さくらインターネットが、生成AI向けクラウドサービス『高火力 VRT』において、NVIDIA H100搭載プランを正式版として提供開始しました。
これにより、データセンター側ではGPUリソースの安定供給体制が整い、機械学習や大規模AIモデルの推論、画像生成など、高負荷の処理を迅速に実行できる環境が整いました。正式版では、従来の事前申請が不要となり、さくらのクラウドのコントロールパネルから即座にサービス構築が可能です。さらに、法人向けには最大100時間無料で利用できるキャンペーンも実施中です。データセンターとしては、こうした高性能GPU搭載クラウドサービスの拡充により、AIワークロードへの対応力が一層向上すると期待されています。」

さくらインターネット:生成AI向けクラウド『高火力 VRT』正式版

04:56 三菱重工業:米Modius社と提携し、DC運用最適化を支援

三菱重工業がアメリカのModius社と提携し、データセンターの運用最適化を支援する取り組みを始めました。

三菱重工が得意とする発電や冷却システムに、Modius社のDCIM、つまりデータセンターインフラ管理ソリューションを組み合わせることで、統合的な運用を実現します。
Modiusのプラットフォームは世界250拠点以上で導入されており、AIによる異常検知や省エネ効果にも強みがあります。この協業は、次世代データセンターに求められる「効率性」「安定稼働」「環境負荷の低減」を同時に実現し、持続可能なインフラ構築に大きく寄与すると期待されています。

05:32 米メタ:数十兆円規模のDC投資

米メタのマーク・ザッカーバーグCEOは、人類の知能を超える「スーパーインテリジェンス」開発に向けて、数十兆円規模の投資を発表しました。
その中核となるのが、巨大データセンターの建設です。最初のセンターは2026年に稼働予定で、将来的には1カ所で最大5ギガワットに拡張できる計画です。資金は広告収益を中心とする本業から捻出し、AI開発を加速させる狙いです。競合のオープンAIやグーグルに遅れを取る中、メタは人材とインフラに大規模投資し、データセンターを武器に巻き返しを狙っています。

米メタ:スーパーインテリジェンス開発に向け、数十兆円規模のDC投資

06:07 富士通:1万量子ビットを超える超伝導型量子コンピュータ

富士通は、2030年までに1万量子ビットを超える超伝導型量子コンピュータの開発を開始しました。

この量子コンピュータは、250論理量子ビットで稼働するSTARアーキテクチャを採用し、将来的には1,000論理量子ビット規模のマシンを目指します。データセンターの観点では、高密度実装やチップ間インターコネクト技術、低コスト制御技術の研究が進められ、量子計算をクラウドや大規模データセンターに統合する基盤整備が期待されます。さらに、256量子ビットの超伝導量子コンピュータがすでに開発され、既存インフラ上でスケーラブルに運用できることが確認されました。こうした取り組みは、日本発の量子コンピューティングを用いた高性能データセンターの実現に向けた大きな一歩となります。

富士通:1万量子ビットを超える超伝導型量子コンピュータ


06:46 まとめ

主要記事10選のまとめ