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生成AIクラウド構築に潜む罠 【MPOコネクター編】│Vol.139

製品紹介 , 業界・ビジネス動向

【sevensixTV】に第139弾の動画を配信しました。

00:42 生成AIと光コネクタの市場動向
01:25 MPOコネクタのメリット
02:21 実際のトラブル事例(JANOG55での発表内容)
03:54 MPOコネクタに多いトラブル原因と品質課題
04:47 解決策① EXFO社の測定ソリューション(光損失テストセット)
05:47 解決策② 反射減衰量測定 OTDR
06:14 解決策③ ファイバ―検査スコープ
07:04 解決策④ BERT・光トランシーバ検査
07:40 高品質光トランシーバ(100m対応モデル)
08:16 今後のネットワーク品質確保のポイント

生成AIクラウドやデータセンターの高帯域ネットワークでは、MPOコネクタの需要が急増しています。 しかし品質管理が不十分なMPOコネクタを使用すると、反射減衰量不足やリンクダウンといった深刻なトラブルを招く可能性があります。

▶ 「400G超通信におけるMPOコネクタの品質について考えよう」 (JANOG55での発表内容)

00:42 生成AIと光コネクタの市場動向

弊社は、日々、沢山の皆様との会話や講演に参加して、最新の「光ファイバ通信」に関する情報収集を行ってきましたが、今後ますます注目されていくキーワードは、『生成AI』、そして『光電融合』 であると再認識しました。

そこで今回は、機器間を繋ぐ光ファイバのコネクタであるMPOコネクターのニーズの変化やメリット・用途、主なトラブル要因などを解説し、そのためのソリューションについてもご提案したいと思います。
題して、生成AIクラウド構築に潜む罠、MPOコネクター編になります。 ぜひ最後までご視聴ください!

『生成AI』というカテゴリーで言いますと、通信技術が進む中で、光コネクタのトレンドにも市場ニーズの変化がでてきているようです。例えば、NVIDIAなどのGPUで構成されるクラスターのクロスコネクトに用いられる光トラシーバに関しては、光コネクタとしてフェルール端子に16芯のファイバが並んでいて、同時に16芯の通信ができるMPOコネクタが採用されていますし、同様に国内の大手サービスプロバイダーでも採用することが多くなっているようです。

従来、MPOコネクタというのは、24芯や12芯が一般的だったのですが、400G/800Gの光トランシーバが用いられるGPUクロスコネクトでは最近はこの16芯MPOの需要が高まってきているようです。

01:25 MPOコネクタのメリット

MPOの最大のメリットは、LCやSC等の単芯コネクタと比較して光ファイバを高密度に実装できることです。これにより、通信帯域も高密度化できます。また、光パッチパネルなどのケーブリングでみますと、通信容量が増えるにつれて、当然機器が増え、また、隙間なく配線が並ぶ状態になります。そうすると、機器側の発熱がラック内部にこもってしまいます。

このため熱が抜ける空間を作らなければなりません。その解決策がMPOタイプの光コネクタになります。これ1個で16本分の回線をまとめますから、配線数が少なくなりますので熱を逃がす空間を増やすことができるわけです。

このことから、MPO(Multi-fiber Push On)コネクタは、データセンターや生成AI向けの高帯域ネットワークで広く使用され、400G/800Gの高速通信を支える重要な要素となっています。

02:21 実際のトラブル事例(JANOG55での発表内容)

しかし、多くのメリットを持つMPOコネクタも、その品質が十分でないと、ネットワーク全体に影響を与えるトラブルの原因となります。
実際の通信トラブル事例として、JANOG55にてさくらインターネット様とNTTアドバンステクノロジ様が発表された、「400G超通信におけるMPOコネクタの品質について考えよう」のセッションにおいて、その具体的なトラブル事例を元に、トラブルシュートの過程・分析結果、改善方法の提言など、知見にとんだ発表がありました。

概要をご紹介しますと、400GBASE-SR8で生成AI用のクラウドネットワークを構築した際に、GPU側NICとスイッチ間のネットワークに断続的なリンクダウンが発生するという事象が発生しました。不具合原因の切り分け調査の過程でNIC-スイッチ間の光トランシーバを繋ぐMPOコネクタ付きケーブルを交換したところ改善したことから、原因をMPOコネクタ付きケーブルと仮定し、OTDRや3D端面形状測定器等を駆使してケーブル調査を進め、最終的に原因は、MPOコネクタのフェルール端面の品質的な問題にあることを突き止めています。

特に今回の問題の最大の原因とされているのは、MPOコネクタのフェルール端面の品質上重要とされるコアディップ、XY角度、マイナスコプラナリティの品質管理が十分でない製品を使用したことにより十分な反射減衰量が得られていなかったことが原因とされています。

詳しくは概要欄にリンクを貼りつけておりますので、ご参照ください。
▶ 「400G超通信におけるMPOコネクタの品質について考えよう」 (JANOG55での発表内容)

03:54 MPOコネクタに多いトラブル原因と品質課題

ちなみに、ご覧のリストが、一般的にMPOコネクタが原因で発生する主な通信トラブルの例となります。

端面の雑な品質管理により、反射減衰量だけでなく、挿入損失の悪化やクロストークの発生など、様々な問題が発生すると言われています。

このように、生成AIのネットワークは、400G/800G等の高帯域化が求められる環境のため、品質のしっかりと担保されたMPOコネクタ付きケーブルや光トランシーバを選定・調達することと、トラブル発生時に迅速に原因切り分けを行う測定手段を確保しておくことが特に重要になります。そこで、今回は特にMMFの400GBASE-SR4/SR8で構成されたネットワークにフォーカスして、これらの課題に対するセブンシックスのソリューションをご紹介させてください。

まず、トラブル発生時の測定手段として、弊社が国内正規代理店をしているEXFO社製品を紹介させてください。同社は北米のAWSを中心としてプラットフォーマーのデータセンター内に構築された光ファイバー試験に多くの経験も持ち、MPO配線試験でも多くの実績があります。

EXFOが提供するソリューションは全部で4つありますので、順番にご紹介したいと思います。

04:47 解決策① EXFO社の測定ソリューション(光損失テストセット)

まず1つ目は、挿入損失測定で活用されるPXM/LXM マルチファイバー光損失テストセットです。

これは、MPOコネクタの多芯光ファイバの挿入損失、極性、ケーブル長を自動計測できるテストセットです。
MPO-12芯対応していますが、治具ケーブルを使用することでMPO-16芯、-24芯測定も可能です。2波長でMPO-12芯ケーブルを1秒で試験ができます。また、SMF、MMF対応しており、挿入損失測定、極性検査、ケーブル長測定が可能です。

05:47 解決策② 反射減衰量測定 OTDR

続いてのソリューションは反射減衰量測定のMaxTester 720D access OTDRで、これはMMFの反射減衰量の測定も可能なOTDRになります。SMFだけでなくMMFにも対応しており、ダイナミックレンジ 36dB@SMF, 29dB@MMFです。小型軽量で、ポータブル式のバッテリ駆動タイプです。

06:14 解決策③ ファイバ―検査スコープ

3つ目のソリューションは、端面品質テスト:FIP-500 ファイバー検査スコープ です。

MPOコネクタを含めたあらゆる光コネクタの端面検査を全自動で高速にテスト可能な製品です。特にコネクタ端面の汚れや傷のチェックを得意としています。但し、前半部でご紹介したMPOコネクタのコアディップ、XY角度、マイナスコプラナリティなどのフェルール端面形状は測定対象外となりますのでご注意ください。

特徴としては、端面検査の全工程が自動化されており、LC、SC、FCの単芯、MPOの多芯含めたあらゆる光コネクタに対応しています。

ディスプレイ一体型のスタンドアローンタイプで、バッテリー駆動は11時間、BluetoothやUSBによりスマホやPCへデータ転送が可能です。

07:04 解決策④ BERT・光トランシーバ検査

最後に、4つ目のソリューションはBERT、光トランシーバ検査の FTBx-88480/88800 ネットワークテスター です。

業界で唯一、可搬型でQSFP112/OSFP112のテストに対応したネットワークテスターで、光トランシーバの動作チェック機能もサポートしています。400G QSFP112/OSFP56/QSFP-DD, 800G QSFP112-DD/OSFP112をサポートしています。光トランシーバの動作チェック機能であるiOpticsが付いています。

07:40 高品質光トランシーバ(100m対応モデル)

次に、高品質な光トランシーバとして、NVIDIAの純正メニューにラインナップの無い、100m伝送に対応した400GBASE-SR4/800GBASE-SR8の光トランシーバのご紹介です。

NVIDIA純正の光トランシーバのメニューには、400GBASE-SR4がラインナップされていますが、その伝送距離はOM4ベースでも50mまでの保証とされています。

しかし、サードパーティ光トランシーバの中には、100mまでの伝送距離を保証する製品があり、この製品を採用することで、より安定したネットワーク品質を確保・実現できる可能性があります。

08:16 今後のネットワーク品質確保のポイント

1月に開催されたJANOG55では50G PAM4ベースの200GBASE-SR4でもMPOケーブルの反射減衰量の影響による通信トラブルの発生事例が報告されていましたが、更にこの2倍の伝送帯域を

もつ100G PAM4ベースの400GBASE-SR4以降は、ますます品質管理はシビアになっていくことが予想され、純正品に頼るばかりでなく、少しでも性能の高い光トランシーバを市場から調査し導入していくことが重要になってくるものと考えております。

当社では、サードパーティ光トランシーバの導入プログラムとして、お客様のネットワーク構築の課題をお伺いし、適切な製品をご提案、また導入前の検証用に検証機のお貸出しも行っておりますので、ぜひ光トランシーバで課題をお持ちの方はお気軽にご相談ください。

また、弊社では、ご覧の仕様に対応した高品質なMPOコネクタ付きケーブルの取り扱いも行っておりますので、こちらもお気軽にお問合せください。

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