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データセンターニュース ピックアップ: 24/12-25/1月│Vol.128

業界・ビジネス動向

【sevensixTV】に第128弾の動画を配信しました。

01:31 Microsoft、2025年度にAIデータセンターへ800億ドルを投資
02:25 トヨタ × NVIDIA:自動運転での再協業
03:21 ラピダス × PFN × さくら:国産AIインフラの構築へ
04:15 三菱電機 × AWS:クラウド&DX戦略的協業
04:56 NTT、光伝送技術の大幅進化(IOWN関連)
05:36 データセンターの省エネ目標
06:26 データセンターGX支援:デジタル赤字解消のための整備
07:11 半導体関連:TSMC熊本工場の量産開始
07:50 韓国政府の高性能量子コンピュータ開発
08:31 Meta:量子コンピューティングの実用化に疑問表明

新スタートの時事ネタ企画 第2回! 12/15~1/14の間にデータセンター市場で起きた注目ニュース10選をピックアップ。

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01:31 Microsoft、2025年度にAIデータセンターへ800億ドルを投資

データセンターは正に国を挙げての国策となっていて、データセンター市場でのパフォーマンス如何で株価も大きく変動するビッグテーマになっています。
この1カ月で日経新聞だけでも数多くのデータセンターに関連する記事がでてましたので、記事を絞るのにも大変苦労しました。が、投資関連ではマイクロソフト、企業連携関連ではトヨタとNVIDIA、ラピダスとプリファードネットワークス&さくらインターネット、三菱電機とAWSをチョイス。 技術関連ではNTT、エネルギー関連ではデータセンターの省エネ目標とGX支援、そしてデータセンターに近い話で押さえて置きたい半導体と量子コンピューターの話題3つをその他として挙げさせていただきました。

02:25 トヨタ × NVIDIA:自動運転での再協業

米Microsoftは2025年度(2024年7月~2025年6月)に800億ドル(をAIデータセンターの構築に投資すると発表。投資額の半分以上は米国内に充てられる予定です。ブラッド・スミス副会長兼プレジデントによると、この投資は米国のAIリーダーシップ強化と世界的なAIイノベーションの促進を目的としています。

MicrosoftはこれまでにOpenAIに130億ドル以上投資しており、他にもAnthropic(アンスロピック)やxAIなどの企業と連携しています。昨年10月の業績発表では200億ドルの設備投資を報告しており、さらに増加すると予想されています。スミス氏は米国のAIリーダーシップを維持するため、海外でのAI普及を推進し、中国との競争に勝つ必要性を強調。
迅速で効果的な行動を求めました。

トヨタ × NVIDIA:自動運転での再協業

02:25 トヨタ × NVIDIA:自動運転での再協業

続いては、企業連携から3つお伝えします。
トヨタ自動車と米エヌビディアが、自動運転技術での協業を再強化。トヨタは次世代車にエヌビディア製の先端半導体「DRIVE AGX Orin」を採用し、AI活用を強化する。エヌビディアは自動運転向けソフトウェアも提供し、AI技術を支援。エヌビディアの半導体は毎秒200兆回を超える演算処理能力を持ち、自動運転の「頭脳」を支えます。

また、自動運転技術の進化にはAIのさらなる精度向上が求められ、それを支えるデータセンター向け半導体の需要も拡大中。トヨタの製造現場や実証都市「ウーブン・シティ」においてもエヌビディア技術を活用しており、両社の協業が、自動車・半導体業界の革新を加速させていくと思われます。

AI半導体市場をけん引するエヌビディアと、自動車販売台数世界一のトヨタとの協業が、両業界に与える影響は大きいと言えるでしょう。

トヨタとNVIDIA、自動運転で再び接近  AI半導体カギに

03:21 ラピダス × PFN × さくら:国産AIインフラの構築へ

企業連携2つ目の記事は「省電力な国産AIインフラ実現へ PFN、ラピダス、さくらが基本合意」です。

ラピダスは、AI半導体を設計するプリファードネットワークス(PFN)とクラウドサービス大手のさくらインターネットと連携し、国産AIインフラの構築に向けた基本合意を結びました。PFNが設計する高性能で省電力なAI半導体をラピダスが製造し、さくらインターネットのクラウド技術と組み合わせ、国内データセンターに展開する計画です。この取り組みは、生成AIの普及に伴う消費電力の課題を解決し、グリーン社会に貢献することを目指しています。特にラピダスは、2027年から最先端の2ナノメートルプロセスでの量産を予定しており、日本発の技術でAI分野をリードする姿勢を強調しています。

個人的には、昨年ASMLから国内初導入されたEUV(極端紫外線)露光装置を使って、今春に出るサンプル評価がどこまでの性能が出てくるか楽しみです。

ラピダス × PFN × さくら:国産AIインフラの構築へ

04:15 三菱電機 × AWS:クラウド&DX戦略的協業

3つ目の記事はこちらです。
三菱電機とAWSは、データセンターおよびクラウドサービス事業において戦略的協業に向けた覚書を締結しました。三菱電機のデジタル基盤「Serendie」(セレンディ)とAWSのクラウドや生成AI技術を組み合わせ、データ活用ソリューションの強化やDX人材の育成を推進します。

また、スマートビル向けソリューションやデータセンターの省エネ技術開発を通じて、生成AIの普及による電力消費課題への対応や脱炭素化に貢献します。この取り組みは、業務効率化と持続可能なデジタル社会の実現を目指すものです。

三菱電機 × AWS:クラウド&DX戦略的協業

04:56 NTT、光伝送技術の大幅進化(IOWN関連)

続いては技術関連の記事を1つお伝えします。

NTTは、12コアのマルチコア光ファイバーを使い、陸上で最大455Tbps(テラビーピーエス)の光伝送を安定して実現する実証に成功しました。これは現行の50倍以上の容量で、東名阪区間をカバーできる距離でも高性能を発揮。

成功の鍵は、伝送遅延を抑える設計、接続損失を最小化する技術、MIMO(マイモ)技術による信号補正です。この技術はデータ通信需要の増加やデータセンター間通信の効率化に対応し、IOWN構想の大容量光伝送基盤の実現を目指します。

05:36 データセンターの省エネ目標

続いてはエネルギー関連記事を2つお伝えします。

経済産業省は2025年1月10日、新設されるデータセンター(DC)の省エネルギー目標を設定する方針を示しました。社会のデジタル化によって今後増加が見込まれるDCは、膨大な電力を消費します。冷却技術の改善などエネルギー消費の効率化を促し、目標達成を義務付けます。

同日の総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)小委員会に提示しました。電力消費を効率化する基準は既に事業者平均で定めているが、これに加えて新設DCの目標を立てることになります。

DCは必要な電力を確保するために立地が制限されやすく、消費電力を減らすことで建設地の選択肢が増えることも期待されます。 

データセンターの省エネ目標

06:26 データセンターGX支援:デジタル赤字解消のための整備

政府は2040年ビジョンの中で、脱炭素社会の実現に向けてデータセンターなど電力消費の大きい産業拠点の集積を進める方針です。再生可能エネルギーや原子力発電の供給地近隣にデータセンターを集め、GX経済移行債を活用して支援を行います。
この支援は、二酸化炭素削減だけでなく、「デジタル赤字」の解消も重視。さらに、通信インフラと電力インフラの整備や半導体の省エネ技術開発も支援対象となり、10年間で20兆円規模の予算が割り当てられます。

データセンターGX支援:デジタル赤字解消のための整備

07:11 半導体関連:TSMC熊本工場の量産開始

最後のカテゴリは少し趣向を変えて半導体と量子の記事をお伝えしたいと思います。いずれもデータセンターに深く関連してくる分野です。
1つ目は皆さんおなじみのTSMCです。ついに熊本工場で量産を開始しました!

台湾積体電路製造(TSMC)は、熊本県菊陽町にあるJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)の第1工場で、28nm以上の準先端半導体の量産を開始しました。これにより、政府の半導体戦略の第1弾が完了。量産開始にあたり、TSMCは12インチウエハー換算で月産5.5万枚の生産能力を持ち、ソニー、デンソー、トヨタなどが株主として参画しています。

今後は日本国内および世界中の顧客向けに安定した半導体供給を目指し、グローバルな半導体エコシステムに貢献することを目指しています。

TSMC熊本工場の量産開始

07:50 韓国政府の高性能量子コンピュータ開発

最後に量子コンピューターの記事を2つお届けします。

韓国政府は高性能量子コンピュータ開発に乗り出し、2032年の完成を目標に1000キュービット級量子コンピュータの開発を進めています。

量子コンピュータは現行のコンピュータを凌駕する計算能力を持ち、産業に大きな影響を与えると期待されているなか、実現時期については意見が割れていますが、個人的には先日エヌビディアのファンCEOが、会見で量子コンピュータの紹介をした内容が圧巻でした。
将来あの小型サイズになって自分達の手元に届き、誰もが量子コンピュータを使える未来が想像でき胸が熱くなりました。

量子コンピュータ、韓国も開発に飛び込む

08:31 Meta:量子コンピューティングの実用化に疑問表明

いよいよ今月ラストの記事は、株式市場を揺るがせた、こちらの記事です。

MetaのザッカーバーグCEOがポッドキャストで「量子コンピューティングの実用化は10年以上先」と発言、NVIDIAのフアンCEOも同様の見解を示し、量子関連株が急落しました。

一方、グーグルは量子技術で進展を発表しましたが、ハードウェアの安定性や商業的価値の証明など課題が多い状況です。量子コンピューティングは医療、金融、製造など幅広い分野で変革をもたらす可能性がありますが、実用化までの道のりは長く、投資家は短期の期待とリスクを見極める必要があります。

「メタのザッカーバーグが見通しに疑問を表明し、量子コンピューター関連株が下落」

主要記事10選のまとめ

DC主要記事10選のまとめ

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