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Laser World of Photonics China 2024 で感じた中国の最新 超短パルスレーザー業界│Vol.114

業界・ビジネス動向

【sevensixTV】に第114弾の動画を更新しました。

00:18 レーザー上海の展示風景
01:16 中国の超短パルスレーザーメーカー
03:01 なぜ中国の超短パルスレーザー業界の質と量が大きく進歩したか?

Laser World of Photonics China 2024、通称レーザー上海で感じた中国の最新 超短パルスレーザー業界についての動画です。 中国のレーザーと言えば数10 W から 数10 kW クラスのファイバレーザーやダイレクトダイオードレーザーですが、
今回は超短パルスレーザーにスポットを当てて、中国でどのような企業が、どのような超短パルスレーザーを開発しているのかをお話ししました。

もし、より詳細な内容に興味があれば当社営業までお問合せください。

++(動画内の抜粋)++++++++++++++++++++++

00:18 レーザー上海の展示風景

規模は欧米の国際的な展示会と同等以上で、多くの企業が華やかでダイナミックな展示をしていました。
中国がフォトニクス産業における世界最大のマーケットの一つであることがよくわかる展示風景でした。
この写真の中央にあるのが我々の主要サプライヤーの一つの BWT のブースです。

レーザー上海2024 の展示会場の写真

BWT 世界初 150 kW のファイバレーザーをリリース

非常に洗練されたブースに、世界初の平均出力 150 kW のファイバレーザーや新型の小型 kW ファイバレーザーを大々的に展示していました。

01:16 中国の超短パルスレーザーメーカー

このような大規模な展示会で私が調査したものの一つが本動画のタイトルにある超短パルスレーザーです。
展示会場で調査をすると超短パルスレーザーを出展している会社は20社以上あり、その多くはスタートアップでした。

こちらは、レーザー上海で超短パルスレーザーを出展していたメーカーのうち、2011年以降に設立されたメーカーを時系列で示しています。 これらのメーカーのうち、特色あるメーカーを3社だけご紹介します。

2011年以降に設立された中国の超短パルスレーザーメーカー(パルス幅 50 ps 未満)時系列順

設立2016年:多光子顕微鏡に特化したレーザー

こちらは顕微鏡メーカーの開発部隊の一部によって組織された多光子顕微鏡に特化した超短パルスレーザーメーカーです。 波長 0.8、0.9、1.0 μm のラインナップがあり、中空コアファイバでのファイバデリバリに対応しているなど 顕微鏡メーカーと顕微鏡ユーザーが使いやすい設計になっています。

設立2019年:フェムト秒レーザーとそれを使った美容機器

次のこちらは、医療機器のメンテナンスサービスを提供する会社からの出資により設立されたフェムト秒レーザーを得意とした超短パルスレーザー専門メーカーです。 波長 1030 nm を中心に様々な種類のフェムト秒レーザーを製造しており、製品の開発力、製造力の高さがうかがえました。 左下のオレンジで囲った部分の写真はフェムト秒レーザーを使った世界初の美容機器です。

設立2021年:平均出力 1 kW ピコ秒レーザー

最後は、おそらくドイツの Trumpf 社のレーザーをベンチマークにして高出力な超短パルスレーザーを開発しているメーカーです。 こちらの展示は平均出力 1 kW のピコ秒レーザーですが、1.5 kW もあるようです。

その他の特色ある超短パルスレーザー関連製品

これ以外にも、波長3 μm 帯のフェムト秒レーザーや、超短パルスファイバレーザーに特化した FPGA を造るメーカー、三光子顕微鏡向けのフェムト秒レーザーメーカーなど面白いメーカーが沢山いました。 このように、中国における超短パルスレーザー業界は比較的短期間で質と量ともに大きく進歩しています。 また、今後もこの傾向は続くと思います。 その大きな理由の一つとして、経験豊富な人材が挙げられます。

中国のフォトニクス分野の人材

この動画をご覧になっている皆さんがご存じのように、中国には既にレーザーマーカー用のファイバレーザーから溶接や切断用の 数10 kW 級出力のレーザー産業があります。 つまり、中国にはレーザー製品を形作るテクニシャン、エンジニアや、その価値を伝達する営業の専門人材が非常に多く存在します。 また、中国を含めた世界トップクラスの研究グループには多くの中国人研究者が在籍しており、最先端技術を研究しています。 これらの二つの人材のプールから、

中国の超短パルスレーザー業界における人材

超短パルスレーザー業界に人材が流れ込むことで、超短パルスレーザー業界は質と量共に大きくなったのだと思います。 実際に、超短パルスレーザーのスタートアップの会社概要を読むと欧米の研究室から帰ったポスドクが数名集まって起業し必要な人材を集め、資金調達をし、怒涛の勢いで商品開発をしていった例がありました。

いかがでしたでしょうか?今日はレーザー上海で感じた中国の最新超短パルスレーザー業界と題して、私が感じたことをお伝えいたしました。 

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