YouTube動画

『Frush』光周波数コムで5G/ポスト5G・ミリ波/THz波検出!!│Vol.22

製品紹介 , 光技術解説

【sevensixTV】に第22弾の動画を配信しました。

00:46 5G/ポスト5Gで使われる周波数帯
02:30 周波数変換のしくみ
05:10 光周波数コムで周波数変換

今回は前回に引き続き、光周波数コム(Optical Frequency Comb)の技術を解説します。
前回は、光周波数コムがミリ波やテラヘルツ(THz)波の発生においてどのように活躍するかをご紹介しました。
今回は「検出」に焦点を当て、5G/ポスト5Gで使われる高周波数帯をどのように検出できるか、その仕組みを詳しく説明します。

=========================================
動画への感想・お問い合わせはコメントまたは公式サイトまで!
https://www.sevensix.co.jp/contact/
=========================================

00:46 5G/ポスト5Gで使われる周波数帯

まず、前回の動画でご紹介したタイムシートを振り返りながら、5G/ポスト5Gで使われる周波数帯についておさらいします。

  • 5Gで使われる周波数帯:数GHz〜数十GHz
  • ポスト5Gで使われる周波数帯:数十GHzから100GHzを超える領域

この領域は、電気の技術と光の技術の中間に位置し、「未開拓の技術領域」とも呼ばれています。
そのため、ミリ波やテラヘルツ波の発生だけでなく、検出も非常に難しいとされています。

5G ポスト5Gで使われる周波数帯の概要図

特に検出においては、ミリ波やサブテラヘルツ波を直接検出できるデバイスは、感度や応答速度の面でまだ多くの課題を抱えています。

結論として、Frushの光周波数コムを使えば、すでに確立されている電気の技術を応用して、ミリ波やテラヘルツ波を高精度に検出することができます。

02:30 周波数変換のしくみ

ミリ波・テラヘルツ波の検出を実現するための鍵となるのが、「周波数変換(ダウンコンバージョン)」の技術です。
具体的には、検出したい高周波数帯の信号を、電気技術で扱いやすい低周波数帯へ変換するアプローチです。

この変換には「ミキシング技術(ヘテロダイン方式)」が用いられます。
電気・光の分野で広く使われるこの技術は、簡単に言うと「周波数の足し算・引き算」を行うものです。

  • アップコンバージョン:ある周波数の信号に別の周波数の信号をミキシングし、それらの和に相当する周波数の信号を生成する手法
  • ダウンコンバージョン:同様にミキシングを行い、差に相当する周波数の信号を生成する手法
アップコンバージョンとダウンコンバージョンの周波数変換の概念図

例として、50GHzのミリ波信号を、電気技術で検出可能な50MHzに変換する場合を考えます。
この場合、50GHzの信号に対して49.95GHzの信号をミキシング(ダウンコンバージョン)すると、差分として50MHzの信号が得られます。

つまり、50GHzのミリ波を検出するためには、49.95GHzという局部発振信号を別途用意する必要があります。
しかし、49.95GHzという高周波数の信号を安定して生成すること自体が非常に難しく、ここで光周波数コム「Frush」が活躍するというわけです。

05:10 光周波数コムで周波数変換

では、Frushを使って実際にどのように50GHzの信号を50MHzへ変換するのか、その仕組みを詳しく見ていきます。

Frushの光周波数コムを用いた周波数変換の概念スペクトル図

光周波数コムは、均一な間隔で多数のレーザー周波数成分が並んだスペクトルを持っています。
この周波数間隔をFSR(Free Spectral Range)と呼びます。

今回の例では、FSRを49.95GHzに設定します。
光の周波数成分のうち、中心周波数をf₃に着目します。

f₃の周波数成分をミキシングすると、足し算・引き算により「f₃ ± 50GHz」の位置に新たな信号が生成されます。
このとき、生成された信号とf₃に隣接するf₄との周波数差が、ちょうど50MHzになります。

f₃とf₄付近の拡大スペクトルと50MHzの周波数差を示す図

この2つの信号(ミキシングで発生した信号とf₄)をフィルタリングしてからミキシングすると、差分として50MHzの信号が得られます。
こうして、電気技術で高精度に検出できる周波数帯へのダウンコンバージョンが実現します。

さらに、Frushの光周波数コムには大きな特徴があります。

FrushのFSRを自由に変更できる機能の説明図

検出したい信号の周波数が変わった場合、それに合わせてFSRを変える必要があります。
FrushはこのFSRを自由に変更できる設計になっており、様々な周波数帯域の信号に柔軟に対応することが可能です。
このように任意のFSRを設定できる光周波数コムは、Frush以外にはほとんど存在しません。

まとめ

今回の動画では、光周波数コム「Frush」を活用したミリ波・テラヘルツ波の検出技術について解説しました。

  • 5G/ポスト5Gのミリ波・テラヘルツ波領域は「未開拓の技術領域」であり、検出デバイスには感度・応答速度の面で課題が残っている
  • ミキシング技術(ヘテロダイン方式)によるダウンコンバージョンを使えば、高周波数の信号を電気技術で扱える周波数帯に変換して検出できる
  • Frushの光周波数コムは、FSRを自由に変えることができるため、ターゲットとなる周波数帯に応じて柔軟に対応が可能
  • すでに確立された電気の技術と組み合わせることで、ミリ波・テラヘルツ波の高精度な検出が実現する

次回の動画では、Frushのさまざまな応用事例についてご紹介する予定です。
ぜひチャンネル登録・高評価もよろしくお願いいたします。