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レーザーダイオードの寿命ー 取り扱い時の注意点など

#レーザーダイオード

半導体レーザー(LD:レーザーダイオード)は、半導体を媒質としたレーザーです。消費電力が小さく、小型化したものもあり、広い分野で使用されています。このレーザーダイオードの取り扱いや寿命について解説していきます。

1. レーザーダイオードの寿命

半導体レーザーの平均寿命は7000時間から10000時間以上と言われています。
半導体レーザーの寿命は動作環境に大きく依存しており、使用時の動作温度、静電気、電源のノイズ等により寿命に影響を与えます。動作温度が高い場合、寿命は短くなり、最大動作温度を超えての連続的な使用はレーザーダイオードに損傷を与え、長期的パフォーマンスの低下などの可能性が大きくなります。

レーザーダイオードを長期的に使用するためには、放熱対策(ヒートシンクなど)や出力するレーザーのパワーを最低限に下げるなどの対策が必要となります。

レーザーダイオードの仕組み

半導体を素材とした回路素子に電流を流すことでレーザ発振させる素子です。
詳しい解説はこちら ▶▶ 「半導体レーザー(レーザーダイオード)とはー 基本的な発光原理・応用例を解説」 

2. レーザーダイオード使用上の注意

レーザー機器の安全クラス(JISクラス)

レーザーの出力光は誤った使い方をすると、人体に影響を及ぼす可能性があり非常に危険です。
そのため十分な安全対策をしたうえで使用する必要があります。レーザーの直接光や反射光、光学系での出力を直接見ることは非常に危険です。
レーザー機器を安全に使用するために日本ではJIS(日本興業規格)のC6802「レーザー製品の安全基準」等によりレーザーの危険度に応じたクラス分けがされ、必要な安全対策が規定されています。

レーザーが損傷してしまう よくあるケース

半導体レーザーの寿命は使用環境に大きく変わります。高温空間・状態での連続使用や結露が生じるような低温空間において使用しないことが重要です。ヒートシンクなどによる放熱・冷却対策や最低限の出力に抑えることが長寿命化のためには有効となります。

レーザーダイオードは電気的にデリケートであるため、静電気放電(ESD)に注意する必要があります。
使用時や運搬・保管時に電源アースの接続や、極端な静電気の発生がない環境下で使用する必要があります。また電源から発生するサージ・やノイズによってレーザ素子が損傷してしまう可能性があるため、十分なサージ対策、ノイズフィルター等の使用が推奨されています。

3. まとめ

レーザ製品は非常にデリケートな製品であるため、使用環境・方法、入力・出力に十分気を付け、JISのC6802「レーザ製品の安全基準」等にそった必要な安全対策をとったうえで使用する必要があります。

レーザーダイオード
主要ラインナップ ▶▶

用途別・波長別の一覧です。
その他ご要望のものがございましたら、ぜひお問い合わせください。

« 筆者紹介 »

内山 遼 博士前期課程 M1

埼玉大学大学院理工学研究科数理電子情報専攻 電気電子物理工学プログラム 塩田研究室在籍。
主な研究テーマは「超高速任意波形計測に向けた光周波数コムを用いたシンセサイザ/アナライザの研究」。
セブンシックス株式会社技術顧問である塩田 達俊 准教授のもと、研究に取り組みながら企業へのインターン活動なども積極的に行っている。