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【事例紹介】白色レーザー・狭線幅レーザーの応用

#事例紹介

こちらの記事では、ライフサイエンス・光ファイバセンサー分野への、レーザー光源の応用についてご紹介いたします。

白色レーザーによる神経・臓器観察

これまで臓器や生体組織の細胞を分析する為には対象組織をスライスし、観察し、またこのスライスを再構成させるという複雑かつ再現が難しい方法により視覚化されてきました。

NKT Photonics社製 白色レーザーを用いたライトシート顕微鏡を使用することにより、神経系全体の3D画像が容易に取得することが出来ます。

【3D画像例】

Science Advanceに於いて、2020年5月29日に論文として発行されております。

この応用に使用されている白色レーザーはこちら ▶▶ 

白色レーザー光源 最上位モデル
『SuperK FIANIUM』

※その他、医療・ライフサイエンスに関する 本製品応用ご紹介ページはこちら

狭線幅レーザーを用いた監視センサー

狭線幅レーザーを用いた監視センサーは光ファイバー中に於ける、光干渉計測を用いて振動や歪みを監視する古くから知られる方法です。 以下のような事例が市場実績として挙がってきております。

大規模データセンターの監視

インドの大規模セキュアネットワークプロジェクトに、NKT Photonics製Koheras低ノイズレーザーが2,000台以上採用

  • NKT PhotonicsのKoherasレーザーが、FFT社設計の分散型音響センシング(DAS)システムに採用。
  • 初年度に2,000台以上を供給予定。以降、最大10年間の保守・部品供給にも対応。
  • DAS用途では、極めて低ノイズ・高信頼性が要求されるが、Koherasプラットフォームがそのニーズに対応。
  • 長年の信頼関係に基づくFFTとの協業実績が評価され、重要案件におけるパートナーとして選定。

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パイプラインの監視

過酷な環境でも「設置して忘れられる」信頼性

Koherasファイバレーザーは、パイプライン監視、境界セキュリティ、国境監視など、DAS(Distributed Acoustic Sensing:分散型音響センシング)用途で活躍しています。これらのシステムはしばしば遠隔地や厳しい環境下に設置されるため、設置後の手間を最小限にした信頼性が求められます。

高感度と長距離測定を両立

Koherasレーザーは、超低位相ノイズ・長コヒーレンス長によって最大100kmまでの測定レンジを可能にし、優れた感度とダイナミックレンジを実現。振動、温度変化、設置方向に影響されず、安定した性能を発揮します。

実績と信頼性

過去25年で、全世界に2万台以上のKoherasレーザーが導入され、石油プラットフォーム、潜水艦、風力発電所、宇宙空間でも稼働中。典型的な寿命は10年以上、返品率は1%未満です。

柔軟なシステム構築

用途に応じてMIKRO E15(DAS、LIDAR、振動計測向け)やBASIK X15(油井・海底ケーブル監視向け)などのモデルを選択可能。さらに、Koheras ACOUSTIKラックを使えば、最大16台のレーザーとアンプを組み合わせたシステムを構築可能です。

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ひずみの計測

▶ Youtube動画で解説!狭線幅レーザを使って高精度ひずみ計測!│Vol.48

  • 「DAS (Distributed Acoustic Sensor)」について
  • 「DAS」 に求められる仕様について
  • Koheras MIKROとKoheras Basik X15について
  • Koherasレーザが採用されている実例について

侵入監視

光ファイバをセンサーとして活用

Koherasレーザーは、光ファイバをセンサーとして利用する干渉型・分布型音響センシング(DAS)システムに広く導入されています。ファイバ全体が「長い音響センサー」となり、沿線上の微細な振動や変化を検出できます。

長距離・高感度センシングに最適

Koherasレーザーは、低位相ノイズ・狭線幅・長コヒーレンス長という特性により、数十kmにわたる広域エリアを1本のレーザーで高感度にモニタリング可能。ダイナミックレンジや感度が求められる干渉計測用途に最適です。

分布型センシングには解析装置も必須

DASでは、レーザーだけでなく「インテロゲータ(解析装置)」が必要です。この装置が光をファイバに送信し、戻ってきた散乱光を解析。専用アルゴリズムにより、場所と発生周波数を高精度で把握します。

ノイズが少ないからこそ実現する高精度

レーザーの低ノイズ性能、インテロゲータ、解析ソフトウェアの連携により、侵入検知の精度が向上。必要な情報だけをオペレータに通知し、誤検知の排除と迅速な対応が可能です。

過酷な環境にも対応する安定性と信頼性

Koherasレーザーは、温度変動や環境ノイズの影響を受けにくい堅牢な設計。産業用途に適した構造で、長寿命・低故障率を実現。これまでに全世界で15,000台以上が石油リグ、潜水艦、風力タービン、さらには宇宙空間でも使用されています。

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この応用に使用されている狭線幅レーザーはこちら ▶▶

超低ノイズ 狭線幅ファイバレーザー
『Koheras BASIK MIKRO』

« 筆者紹介 »

西浦 匡則 技術部マネージャー 博士(工学)

名古屋大学大学院 工学部・埼玉大学大学院 理工学部卒業後、一貫してファイバレーザー研究開発者として活動している。セブンシックスの技術部立ち上げのメンバーでもあり、社外でも次世代ファイバレーザー技術研究会 優秀発表賞や、レーザー学会 奨励賞を受賞するなど、数々の学会への参加や発表も精力的に行い、技術部内では先生と呼ばれている。趣味はキャンプと筋トレ。年中日焼け止めを塗っている美容意識の高い一面を持つ。