お役立ち情報

データセンターとは? – 自社のニーズに合わせた活用方法を知る!

お役立ち情報

データセンターとは?

データセンターは何をしてくれる場所なのか?クラウドとは何が違うの?

こういった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここではデータセンターの提供するサービスや使用されている種類、クラウドとの違いや利用するために必要なデバイスや環境について詳しく紹介します。 

高速大容量通信時代におけるデータセンターの役割 

新型コロナウイルスの流行や5/6Gなどの高速大容量通信技術の発展により、各企業での通信量が増加し、それに伴い大量のデータ通信に耐えるインフラ設備や人的リソースの確保が求められています。

社会情勢が変化し続ける時代の中での人的リソース確保の予測は大変困難です。近年ではこのような状況に対応するために、最近はIT機器の物理的設置場所と安定運用の環境を提供し人的リソースの確保を手助けするデータセンターの需要が高まっています。 

このような需要に応えられるのがデータセンターです。データセンターは企業がIT機器を運用するために必要な物理的スペースと電源や空調設備等を提供し、運用にかかる負担を軽減する役割を担っています。

また、データセンターはセキュリティ対策のため詳細な場所は非公開となっており、物理的な攻撃を受けるリスクを軽減する役割もあります。セキュリティ対策以外でも、災害時、万が一自社が被災した場合、遠隔地のデータセンターを利用することで、システムが同時被災を受けず事業継続ができるという *2 BCP*3 DR対策としての側面の役割もあります。 

動画でデータセンターについて解説していますので、併せてこちらもご覧ください。

クラウドとの違い

以下はクラウドとデータセンターの違いについてまとめた表です。 

データセンタークラウドサービス
サービス内容*1 サーバーなどのIT機器を設置する場所・環境を提供サーバー・ネットワークなどのITリソースを必要なだけ提供
機器の購入基本的にユーザー側で実施サービス提供側が実施
機器の運用・管理基本的にユーザー側で実施サービス提供側が実施
カスタマイズ性自社に合わせて設計できる仕様が決まっている場合が多い

データセンターは上記のように、基本的には物理的な施設であり、この施設をもとに各種サービスが提供されるのに対し、クラウドはネットワーク上でのITリソースを提供するサービスになります。

そのためデータセンターは、基本的に機器の購入、運用・管理をユーザー側で自由に行うことができ、クラウドサービスは、サービス提供者側の機器を使用するため、ユーザー側で機器を所有する必要がありません。 

データセンターは上記のように、基本的には物理的な施設であり、この施設をもとに各種サービスが提供されるのに対し、クラウドはネットワーク上でのITリソースを提供するサービスになります。そのためデータセンターは、基本的に機器の購入、運用・管理をユーザー側で自由に行うことができ、クラウドサービスは、サービス提供者側の機器を使用するため、ユーザー側で機器を所有する必要がありません。 

データセンターを利用する際のメリットとデメリットとは? 

ここまででデータセンターとは、データセンターとクラウドの違いについてご紹介いたしました。しかしデータセンターを実際に利用する際にはそのメリットとデメリットについても把握しておく必要があります。
以下ではメリットとデメリットについてご紹介します。 

データセンターを利用するメリットは主に4つ 

24時間365日の安定稼働 

データセンターはIT機器を安全に管理・運用するために最適な環境や設備、プロのスタッフが整っています。空調による温度や湿度管理もされており、電力やネットワークも安定供給されます。 

また停電時に備えUPSや非常用発電機なども用意されています。

セキュリティが強固 

サーバを社内に置いている場合、情報漏洩やデータ盗難のリスクも心配です。 

データセンターでは、非常に強固なセキュリティ対策を施してあります。ファイアウォールに加えてIDS/IPS、WAFなど、企業だけでは導入の難しい機器を完備したデータセンターも数多く存在します。 

またサーバールームの施錠対策も完璧です。生体認証や接触型カード、二段階以上の認証方式など複数の方法を取り入れてセキュリティ対策をおこなっています。 

災害対策も万全 

多くのデータセンターは大規模な自然災害の発生時にもサーバ破損を阻止するよう、耐震構造を採用しています。停電や火災への対策も十分に行われており、消火設備はサーバにダメージを与えないように、二酸化炭素ガスなどを使用して消火します。 

予備電源や非常用発電装置などの設備により、突然の災害時でもサーバの停止を阻止することができます。万が一の際のバックアップも万全です。 

社内スペースの確保や運用・管理コストの軽減 

たくさんのサーバやコンピュータを自社に置き、社内スタッフで管理運用するのはコストと手間がかかります。データセンターを利用することで、IT機器の管理するための環境整備などのコスト、手間が削減でき、社内スペースを有効活用できます。 

さらにこの後紹介する「ホスティングサービス」を利用すれば、コンピュータ機器を購入する必要がないので、コストを均一化させることも可能です。 

もちろんデメリットも

初期費用や利用料がかかる 

データセンターを利用する場合は月額の利用料や回線料もかかります。保有するデータや機器の量によっては自社で管理したほうが、コストが低い場合があります。しかし。データセンターと同等のクオリティで保守運用するには賃金や手間もかかります。 

まずは企業が求めるセキュリティレベルや、必要なスペース、IT機器などを明確にしたうえで見積もりを行い、自社で管理する場合にかかるコストと比較しましょう。その際にどのようなサポートが受けられるか、そのサービスにかかる料金も含めた見積もりを行いましょう。 

場所によっては移動時間もかかる 

データセンターが遠方にある場合は、移動のコストがかかります。トラブルが発生した際も、社員が現地へ駆けつけて対処するため、1分1秒を争う事態において移動時間がかかることは、デメリットとなります。 

しかし遠方のデータセンターを利用することで災害対策ができるメリットも捨てられません。データセンターによっては、トラブル発生時に復旧作業を代行するサービスもあります。遠方のデータセンターを利用する際には、様々な状況を想定して、サポートの種類や業者を選ぶことが重要です。 

データセンターのサービスの種類 

データセンターはサーバを預かるだけでなく様々なサービスを展開しています。提供しているサービスは大きく分けてハウジングとホスティングの2種類となっています。 
以降でそれぞれのサービスについて解説いたします。 

自社サーバをデータセンターに置くハウジング 

ハウジングとは、データセンター内のサーバを収容するための棚(通称 : ラック)とサーバに接続するためのネット回線、電源などの運用するための環境を提供するサービスとなっています。借りた環境に自社のサーバを預けることで、自社で管理するよりも高い安全性と安定性を担保することができます。 

このハウジングがデータセンターの一般的な利用方法です。ハウジングサービスの中でもラックを必要な分だけ利用できる自由度の高いプランや、機器設置などの物理的なサービスを代行してもらえるなど、様々なサービスがあるので利用する際にはそこに注目して比較してみてもいいかもしれません。 

事業者のサーバを借りるホスティング 

一方ホスティングとは、サーバ自体もデータセンターまたはホスティング事業所が所有しているものレンタルし、その中で決められた容量分を運用するサービスのことを指します。 

ホスティングはハウジングのような環境のみならず、サーバなどの設備までサービスとして利用できるため、導入費用を抑えられることが最大の特徴ですが、レンタルできるサーバのOSなどが限定されることから、利用できる自由度の面ではハウジングよりも劣ってしまいます。 

■ セブンシックスでの取り扱い関連製品

実際にデータセンターを利用、運用するにあたり、環境が変化することで現在お使いの製品から買い替える必要が出てくるかもしれません。弊社ではデータセンターでのネットワーク基盤で用いる製品を多く取り扱っています。

▼ 光トランシーバ

▼ 測定器類

▼ その他製品

>> 光コネクタ端面観察機
>> 光コネクタクリーナ 等、お問い合わせください。

データセンターの選び方 

データセンターを選ぶ際、どのようなところに気を付ければいいのでしょうか。特に注目するポイントを5つあげます。 

立地条件、交通の便 

ハウジングサービスを利用する場合には、機器の更新や保守、トラブル対応などでデータセンターを訪れる機会は多くなります。 
「障害からの復旧時間を短くすること」を重視するのであれば自社や担当ベンダーの会社に近くアクセスが良いエリアを、「災害時のリスク分散」を重視するのであれば自社とは異なる電力エリアにあるデータセンターを検討するのがおすすめです。 
データセンターは基本的には地震などの災害に強い場所・立地にあることが多いですが、本当に災害に強い場所にあるか事前に確認をおこなうとよいでしょう。 

高電力にも対応できるラックか

ラックに空きがあるものの、電力容量が不足している場合は複数のラックを併用する必要があります。そうなってしまうとコストの面でよくありません。 
選定の際には、高電力に対応しているかどうかも見てみましょう。また物理的なラックの空き具合なども確認しておく必要があります。 

ネットワーク遅延 

データセンターにより、使用できる回線やネットワークは異なります。自社の求める高速・低遅延なネットワークが提供されているかを確認しましょう。また、国内インターネットエクスチェンジ(IX)に接続しているかなども選定のポイントとなるでしょう。 

災害対策 

まずデータセンターでは「地震」「火災」「停電」「浸水」の対策を行っているか確認しましょう。 
免震・耐震構造の建物かどうかを意識する人は多いですが、そのほかの災害対策をどのようにしているかも重要です。火災であれば建物の構造や消火する設備、停電であれば自家発電装置やUPS(無停電電源装置)の有無を確認します。また、浸水対策には建物の構造も重要ですが、大雨や津波の被害がないような立地であることも大切です。 

情報、物理のセキュリティ 

またデータセンターのセキュリティに関しても注目しなければなりません。各データセンターによってその強度は変わります。情報セキュリティ面は開示されていないケースが多く、利用前にできる範囲で確認すると良いでしょう。 
それに対して、物理的セキュリティの情報は犯罪の抑止力になるため情報を開示しています。データセンターの物理セキュリティのポイントは以下のとおりです。 

弊社のYoutubeチャンネルではデータセンターを選ぶ際のポイントについても紹介していますので、上記に添付した動画も是非ご覧ください。

まとめ 

  • ● データセンターは企業がIT機器を運用するために必要な物理的スペースと電源や空調設備等を提供する施設のことであります。
  • ● データセンターは自社でサーバを補完するよりも災害上のリスクを減らすことや24時間安定、安全に運用してくれるなどのメリットがあります。
  • ● メリットに対して、運用してもらうための費用や安全のために郊外にあるデータセンターには移動時間がかかるなどのデメリットがあることも理解しておく必要があります。

用語集 

用語意味
*1 サーバネットワーク上のデータの保管庫のこと。
インターネットなどのネットワークを通じて利用者の要求 (リクエスト) に対して、それに応えるデータを提供するコンピュータ。
*2 BCP対策    「Business Continuity Planning」の略であり、事業継続計画という意味。事業継続計画とは総合的な復旧対策であり、「事業」を継続することを重視しています。会社(事業)の存続を目的としているため、経営層も含めた計画を行わなければならない。
 
*3 DR対策 DRとは「Disaster Recovery(ディザスタリカバリ)」の略であり、災害復旧という意味。基本的にBCPと同じように災害が発生したときの復旧対策になるが、BCPとは大きく違う。 

« 筆者紹介 »

能宗 大輔 博士前期課程 M1 *2024年3月現在

埼玉大学大学院理工学研究科数理電子情報専攻 電気電子物理工学プログラム 塩田研究室在籍。
主な研究テーマは「2波長同時ヘテロダイン検波法を用いたTOF計測の基礎検討」
セブンシックス株式会社技術顧問である塩田 達俊 准教授のもと、研究に取り組みながら企業へのインターン活動なども積極的に行っている。