製品概要
当社の光周波数コム発生器 Frush はLN 変調器1台を用いて自由スペクトル領域(FSR: Free Spectral Range)12-18 GHz で、フラット光スペクトルを持つ光周波数コムを発生します。通常、この光周波数コムは FSR に対応した繰り返し周波数を持つピコ秒光パルスとなっています。Frush 単独では光周波数コムを発生せず、光周波数コムの発生には別途、外部装置として連続発振波(CW: Continuous Wave)光源と RF 信号発生器が必要となります。
発生された光周波数コムの各縦モードの線幅と、縦モードを合算して得られる平均出力は CW 光源に依存します。光周波数コムの平均出力は、CW 光源の平均出力より 20 dB 程度減衰された値となります。当社では外部 CW 光源として、線幅 3 MHz 以下、平均出力 13 dBm 以上で偏波保持光ファイバ(PMF: Polarization maintaining fiber)出力の分布帰還形(DFB: Distributed Feedback)レーザーを推奨しております。
ピコ秒光パルスのタイミングジッタは RF 信号発生器の位相雑音に依存します。外部 RF 信号源は光周波数コムの FSR に対応する周波数の正弦波が出力可能で、電力 +20 dBm 程度が必要となります。
特長
- 光コム FSR 12-18 GHz
- フラットな光スペクトル
- 高い長時間安定性
- お手持ちの RF 信号発生器 / CW 光源を利用可
用途
- ミリ波 / THz波の発振・受信
- 超高速分光・高分解能分光
- 光通信
- ガスセンシング
- LIDAR、三次元形状計測
- 新潟大学 崔先生の Frush を使用した論文
Samuel Choi, Takeru Ota, Fumiaki Nin, Tatsutoshi Shioda, Takamasa Suzuki, and Hiroshi Hibino, “Rapid optical tomographic vibrometry using a swept multi-gigahertz comb,” Opt. Express 29, 16749-16768 (2021)
仕様詳細
- 光コム FSR:12-18 GHz(出荷時固定)
- 中心波長:1550 ± 20 nm(入力 CW 光源に依存)
- 光バンド幅:> 200 GHz @ -20 dB
- 光平均出力:> – 7 dBm (+13 dBm 光入力時)
- 光パルス幅:≦ 6 ps
- 光出力ポート:FC/APC、PM1550
- 偏光:直線偏光
- 電源電圧:100 VAC
- 寸法:148(H)×480(W)×430(D) mm
使用イメージ
製品解説動画
Frush のライブデモ画像
セットアップ機器の説明 から 光周波数コムの発生 までを2分ほどの動画でご覧いただけます。
Frush のアプリケーション:応用・活用
Frush の動作方法と動作原理から Frush の特長を説明しています。
Frush のテクノロジー:技術
当社では Frush による光周波数コム発生の数値解析にも取り組み、数値解析結果を用いた技術の向上と製品の改善にも取り組んでいます。
■ 研究論文
- 計測研究へ向けた光コム製品開発, 光学2019年11月号 解説記事
- 広範な応用に向けたフレキシブル性の高い EOコム, Optics & Photonics Japan 2019 招待講演