ピコ秒ファイバレーザー 全PMファイバ構成

波長: 1030nm パルス幅: 8 ~ 10ps

メーカ:Southern Photonics Ltd.

Southern Photonicsのピコ秒ファイバレーザは、SESAMなどの材料としての過飽和吸収体を使っていないため、過飽和吸収体の破壊リスクがありません。基本的な構成は、近年、各種論文などで発表されている全PMファイバ構成のFigure of eightで、セルフスタートで高い環境安定性をもっています。

特長

  • 中心波長 1030 nm
  • パルス幅 8 ps(典型値)
  • 低繰返し周波数 1 MHz – 15 MHz
  • 過飽和吸収体 不使用
  • フリースペース素子 不使用
  • アライメントフリー
  • 驚異の信頼性
  • 制御ソフトウェア組込

用途

  • ファイバレーザ構築
  • レーザ加工
  • 微細加工
  • 研究&開発/教育用キット

仕様詳細

中心波長(nm)1030
パルス幅(ps)8 ~ 10
繰返し周波数(MHz)1 ~ 15
スペクトル幅(nm)5 ~ 20
平均出力(mW)10 ~ 100

繰返し周波数が10 – 15 MHzのスタンダード品の場合、パルス幅約 8 psの パルスのチャープは線形チャープが支配的となっているため、回折格子対を用いることで、パルス幅を 300 fsまで容易に圧縮できます。

同じ設置面積でファイバ入出力に対応する光ファイバ増幅器モジュールと、回折格子対を用いたパルス圧縮モジュールもご用意がございます。実験室の限られたスペースを有効に使える光源となっております。下図は、FLS100 の構成例です。

■ ピコ秒・高パルスエネルギー

一般的なモードロックファイバレーザの平均出力は < 10mW、繰返し周波数は 40 – 80 MHzなので、レーザ微細加工に用いるような高パルスエネルギーを実現するために(繰返し周波数を 100 kH程度にするために)、2台のパルスピッカー(変調器)を用います。しかし、FLS100 は発振器から出てくるパルスエネルギーが高いため(繰返し周波数が低い)、必要なパルスピッカーは1台のみとなりコストを大幅に削減できます。パルス幅が 10 ps弱であり、サブピコ秒のファイバレーザと比べて相対的にピークパワーが低いため、発振器と光ファイバ増幅器の間にパルス拡張器を挿入する必要がない。パルスにのっているチャープは線形チャープのため、光ファイバ増幅器後のチャープ補償は簡単です。

■ 広スペクトル化、短パルス化

典型的なスペクトル幅は 7 nm 程度ですが、繰返し周波数が 1MHz程度と低いモデルでは20 nmまでスペクトル幅が拡大します。スペクトル幅が大きくなるほど、フーリエ限界パルス幅は小さくなりますが、スペクトルの裾では高次チャープが存在するため、回折格子対などの線形チャープ補償器ではフーリエ限界近くまでパルス幅を圧縮することはできません。また、スペクトル形状が歪になるため、パルス形状にも台座成分は発生してしまいます。

このようにスペクトル幅が広い繰返し周波数が低いモデルでは、Finisarの1um帯WaveShaper 1000 S/SPを用いたスペクトル制御と分散制御をお勧めします。Southern Photonicsのピコ秒ファイバレーザと 1um帯 WaveShaper 1000/SPは相性が良く、この2つを組み合わせることで、パルスとスペクトルのチューナブルの1um帯 超短パルスファイバレーザ(200 fs – 20 ps)を実現できます。

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