ニュース

【製品紹介】ポータブルな光スペアナのご紹介

製品紹介

米Finisar社(2019年11月時点でⅡ-Ⅵ社へ社名変わってますが、便宜上、以降もFinisarと呼称します。)が製造販売する「ポータブル光スペアナ」について、詳しく紹介していきたいと思います。

Finisar社紹介

まずこの製品を開発したFinisar社について。同社は光トランシーバ業界では言わずと知れた老舗メーカですが、実は光トランシーバ以外にも超高分解能光スペアナやプログラマブル光フィルタ、高帯域光フォトデテクタなど、さまざまな光通信周辺製品を製造しています。

今回は、新製品として今年リリースされましたポータブル光スペアナ(WaveAnalyzer 200A、以降200Aと呼称します。)についてご紹介していきます!

機能・特徴

まず、光スペアナ(光スペクトラム・アナライザの略、英語でOptical Spectrum Analyzer 略してOSAと呼ぶこともあります。)とは、簡単に言うと横軸を光の波長、縦軸を光の強さとする2次元のグラフを表示する計測器です。代表的な製品と言えば、例えば横河電機のAQシリーズがあります。

https://tmi.yokogawa.com/jp/solutions/products/optical-measuring-instruments/optical-spectrum-analyzer/aq6360-optical-spectrum-analyzer/

ここからは、この横河電機製AQ6360と比較してその特徴を解説していきたいと思います。まずこちらはざっくりとしたスペックの比較表です。

まず200Aの最大の特徴は何といっても、ポータブルな使い方ができるように、小型軽量でタッチパネル式モニタ(7インチ)を搭載した設計になっていることです。実機のサイズ感・重量感は、カラオケのリモコンをイメージしていただければ、だいたい間違いありません。暗い実験室(偏見?)のものだったスペアナが、出張やフィールドワークのお供になる、これって結構、画期的なことじゃないでしょうか?

旅先の振動衝撃から守ってくれる専用のアタッシュケースもついてきますので、外出先でも安心です。

特徴その二、特性がDCIなどの長距離大容量伝送に使用されるDWDM信号光の分析に最適化されています。測定できる波長範囲は1550nm帯のみと非常に狭く、通信で使用される1310nm帯やCWDM帯の全てはカバーしていませんが、その代わり波長分解能が0.015 nm(1.75GHz)と非常に高く、高密度に多重化されたDWDM信号光のチャンネル間隔を細かくウォッチできます。こちらはデモ用のファブリペロー光源のスペクトルを200Aで撮影したものです。

特徴その三、タッチパネル操作でスペクトル画像の拡大縮小がとっても滑らかです。この触り心地はちょっとした感動で、触っていただいた方からはおお~という歓声をいただくこともしばしば。iPhoneユーザーも納得の心地よさです。

ただ残念な点も一つあります。バッテリー駆動が可能なのですが、持続時間があまり長くなく、2時間持つかどうか。ここは今後の課題と言えそうです。

動作原理

200Aの特徴の一つでもある、高い波長分解能ですが、他のスペアナとは異なる動作原理によって実現されています。一般的に光スペアナは、グレーティングを用いて被測定光を分光することによってスペクトルを分析しますが、200Aは内臓のチューナブルレーザ光と被測定光とを干渉させ、これをコヒーレントレシーバで検波する方式により、高い波長分解能を実現しています。

さて、今回は「ポータブル光スペアナ」をご紹介させていただきました。製品にご興味いただけましたら、こちらのページもぜひご参考くださいませ。

仕様書はこちら → http://www.sevensix.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/02/WaveAnalyzer-200A.pdf

世界へ出たがっている優れた技術・製品を発掘し、それを求めているお客様へ届けたい。そんな思いで日々の業務に携わっています。このブログが少しでも皆さんの業務改善のヒントになれば幸いです。

ご意見・感想をお寄せいただけると励みになりますので、ぜひお願いいたします。

info@sevensix.co.jp

セブンシックス株式会社

東京営業部 大久保