光周波数コム発生器 Frush

波長帯 1550 nm / FSR 12-18 GHz

メーカ:セブンシックス株式会社

Frushは、LN変調器1台を用いてFSR 12〜18 GHzのフラットな光スペクトルを持つ光周波数コムを発生するEO方式の光コム発生器です。
外部CW光源およびRF信号発生器を組み合わせて動作し、CW光源の特性に応じて安定したピコ秒光パルスを生成します。
帯域拡張、パルス圧縮、出力増幅etc 様々な​オプションに対応します。

■ FSR 12-18 GHz 、平坦な光スペクトル​
■ 高繰返しピコ秒パルス​
■ 低位相ノイズ、高い周波数安定度​
■ 研究用途に最適な、シンプルで柔軟なシステム構成

【高速OCT、サブテラヘルツ波発生などのセットアップ構成事例集あり】
詳しくは資料をご覧ください。

仕様詳細

  • 光コム FSR:12-18 GHz(出荷時固定)
  • 中心波長:1550 ± 20 nm(入力 CW 光源に依存)
  • 光バンド幅:> 200 GHz @ -20 dB
  • 光平均出力:> – 7 dBm (+13 dBm 光入力時)
  • 光パルス幅:≦ 6 ps
  • 光出力ポート:FC/APC、PM1550
  • 偏光:直線偏光
  • 電源電圧:100 VAC
  • 寸法:148(H)×480(W)×430(D) mm

筐体前面に光信号のモニタ出力が 1 ポート、筐体背面にRF信号のモニタ出力を 2 ポートを設けていますので、測定器との同期が可能です。Frush から出力されるパルス状の光周波数コムを光ファイバ増幅器で +33 dBm 程度まで増幅した後に、高非線形光ファイバに入力することによって自己位相変調によってスペクトル幅を数10 nm 程度まで広げることができます。

Frushの基本測定データ

Frushの基本測定データ

データ出典:2024年7月 社内測定データ(セブンシックス株式会社)
*測定条件(使用機器)
– シグナルジェネレータ SMB100A(ROHDE & SCHWARZ社)
– 挟線幅ファイバレーザー Koheras Basik Micro(NKT Photonics社)
– シード光レーザー

アプリケーション事例

・ミリ波 / THz波の発振・受信
・5G/6G高速無線通信
・光通信、量子コンピューティング
・距離計測、分光計測​

導入事例:新潟大学様 × 光学的トモグラフィ振動計測

『Frush』を用いた光学的トモグラフィ振動計測で、従来比大幅な高速化と高S/Nを実証。高周波信号処理・センシング応用への展開が期待されています。
Samuel Choi, Takeru Ota, Fumiaki Nin, Tatsutoshi Shioda, Takamasa Suzuki, and Hiroshi Hibino, “Rapid optical tomographic vibrometry using a swept multi-gigahertz comb,” Opt. Express 29, 16749-16768 (2021)

使用イメージ

Frush使用構成例

Frush のライブデモ画像

▼ セットアップ機器の説明 から 光周波数コムの発生 までを2分ほどの動画でご覧いただけます。

ピコ秒光パルスのタイミングジッタは RF 信号発生器の位相雑音に依存します。外部 RF 信号源は光周波数コムの FSR に対応する周波数の正弦波が出力可能で、電力 +20 dBm 程度が必要となります。

製品解説動画

Frush の応用・活用

EO方式の特長、最近のアプリケーション事例ご紹介しています。

Frush のテクノロジー:技術

当社では Frush による光周波数コム発生の数値解析にも取り組み、数値解析結果を用いた技術の向上と製品の改善にも取り組んでいます。

製品開発者情報

西浦 匡則(Masanori Nishiura)
 博士(工学 / Ph.D. in Engineering)
 セブンシックス(株) 技術本部 スペシャリスト 兼
 埼玉大学 学術研究員

研究分野

・超短パルスレーザー
・光周波数コム
・光コヒーレンストモグラフィー(OCT)

代表研究論文

1. Masanori Nishiura, Ryo Kageyama, and Tatsutoshi Shioda, “Efficient use of all ports of a 3 × 3 coupler in a nonlinear amplifying loop mirror-based fiber laser,” Optics Letters, Vol. 48, Issue 16, pp. 4312-4315 (2023)
2. Masanori Nishiura and Tatsutoshi Shioda, “Wavelength and pulse width programmable mode-locked Yb fiber laser,” Opt. Express Vol. 31, Issue 4, pp. 5347-5362 (2023).

資料ダウンロード

『Frush』の活用事例を見る

本製品を使用したセットアップ構成の詳細資料をご覧いただけます。 ご入力いただきましたメールアドレス宛に、資料ダウンロードリンクをお送りいたします。

よくあるご質問

Frushは、パルスで出力されますか?
FSR と同じ繰り返し周波数のパルスで出力されます。例えば、FSR 12 GHz であれば、パルスの繰り返し周波数は 12 GHzとなります。
パルス幅はどれくらいですか?
パルス幅は 25 ps 以上です。パルス圧縮オプションを付けていただければパルス幅を 6 ps 以下にできます。
Frushに入力するCW レーザーは直線偏光でなければいけませんか?
偏波保持光ファイバを用いた直線偏光のCWレーザーをお使い下さい。推奨の入力用CWレーザーとセットでのご提案も可能です。
どれくらいの出力の CW レーザーを入れればいいですか?
平均出力13 dBm 程度でお願いしております。 ※ CWレーザーの出力が小さすぎると制御がうまくいかない場合があります。
入力する CW レーザー の中心波長は 1550 nm だけですか?
1550 ± 20 nm でお使いいただけます。
Frushの平均出力はどれくらいですか?
平均出力は、入力していただく CW レーザーパワーの -20 dBm 程度となります。
スペクトル形状はどれくらい安定しますか?
スペクトル形状の経時変化はほぼありません。詳細なデータがご必要な場合はご相談下さい。
RFシグナルジェネレータにはどのような信号を入力すればいいですか?
17 - 20 dBm の正弦波信号を入力していただくことになります。
デモ機は貸し出し可能ですか?
可能です。通常 2 週間ほどの期間にてお貸しをしております。当社エンジニアがデモ機の設置にお伺いいたします。
Frush はどのような用途で使われていますか?
主に、次世代通信の研究開発用途、量子通信用光源、分光装置用などです。高速な形状計測用途でもご使用いただいている実績があります。 ご用途に応じて、必要な周辺装置とセットでご提案も可能です。

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