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Blog ブログ

どーも、技術部の西浦です。

春の応物が終わって早3週間ですが、
今回のブログでは応物の発表内容を振り返ります。

この頃は梅も咲いていませんでした。今週末は花見ですね。

この頃は梅も咲いていませんでした。今週末は花見ですね。

概要
レーザに関する発表 239件(予稿から検索)。そのうち、レーザの開発に関連する発表は30件程度、ファイバレーザに関するものは15件程度。聴講した発表は40件。
レーザ発振器の発表では、単なる短パルス化・高出力化をターゲットにしておらず、アプリケーション(バイオ、干渉など)を見越した低雑音化、タイミングジッタ低減、波長可変といった研究がされていると感じました。

本ブログでは超短パルスレーザの生成(広帯域化・波形成形含む)に関する発表についてのみ報告させていただきます。著作権の関連で図が使えないので分かりにくくてすみません。

発表題目:12 GHz フェムト秒モード同期レーザーを用いた光パルスフーリエ合成
研究機関:東大物性研
1076nmのカーレンズモード同期レーザをつくり、同期しているモードの中から1~6つのモードを抜き出して、そのときの時間波形を観察していた。バンドパスフィルタの機構がユニーク。今は任意のモードを取り出すことができないが、今後は位相変調器を使って任意波形生成を目指す。

 

発表題目:全ファイバー型自己相似 Er ファイバー増幅システムによる41 fs パルス発生
研究機関:産総研
線形のシミラリトン増幅Erの再吸収の効果をケアしながらスペクトルを広げていた。全ファイバー構成で、41 fs、 2.5nJ以上になるとSMFでの非線形により波形歪が起きてしまう。今後、他の波長の超短パルスレーザの開発をして、コンバインしていく。

 

発表題目:共振器内フィルタを有する高速波長可変ピコ秒モード同期ファイバレーザ
研究機関:東大工
10 ps、1 ms波長掃引レーザを開発していた。連続掃引を可能にするため、PMファイバの偏波面を90度ずらして融着することで、偏波モード分散を補償していた(離散的な掃引結果のデータを解析して偏波モード分散が影響しているらしいことを推察して解決した)。試していないが、偏光板を使ってもよい?Ybファイバレーザにも適用可能。

 

発表題目:1.06-µm 帯利得スイッチング駆動 DFB-LD 光パルスのジッタ低減の検討
研究機関:東大院工
波長可変DFB-LDのCW(0.01 nm)光をGain-Switch駆動するDFB-LDに注入することで、GS-LDのジッタを1.2 psまで低減した(1.2 psはサンプリングオシロ由来のジッタ)。CW光の波長とGS-LDの波長を同一にしたとき、もっともジッタが低減された(1.2 ps)。なお、スペクトルは狭窄化しパルスは広がった。パワーは 60 uW。

 

発表題目:非線形偏波回転とカーボンナノチューブフィルムを用いたハイブリッドモード同期 Er 添加ファイバーレーザーの特性評価
研究機関:名大院工
Hybridモードを用いたときが、パルス幅が狭く、出力も高い。SESAMの前に偏光子を用いているので、SESAMにはダメージが入りにくい。スロットタイプのインライン波長板を用いることで全ファイバ型を実現。共振器の分散は D = -1.9 x 10^-2 ps2 で正常分散EDFを使っていた。

 

発表題目:光制御型光コム
研究機関:産総研
光コムには、fceoとfrepの2つの自由度がある。Pump LDの電流を制御することでfceoを制御できる。また、共振器内のEOMなどを用いて共振器長を制御することでfrepを制御できる。今回はYDFを用いることでfrepを制御した。YDF用のPump LDを制御することで、位相を4~6π振ることができる(位相変調器の代わり)。EDFとYDFのLDを独立制御することで、簡単・高速・堅牢な光コムを実現可能に。

 

発表題目:シミラリトン増幅器によるオクターブスパンスーパーコンティニューム光のコヒーレンス性の評価
研究機関:名大院
スロープ効率30%のシミラリトン増幅器で増幅した1.5um超短パルスレーザをLMA-PCF(β2= -38 ps2 、 38cm) で分散補償し、時間幅 46 fs、ピーク強度 86.7 kWを達成。これを正常分散高非線形ファイバ β2=32.3 ps2に入れて 1000-2000nmに広げた。 通常の広帯域SCは0分散の異常分散側に超短パルスを入れるが、今回は正常分散側に入れたのがみそ。波長可変光源でビート信号を得ることで、SCがコム状のスペクトル構造を得ていることを確認した。

 

発表題目:IR ドップラー観測用光周波数コムの広帯域化
研究機関:東京農工大
周波数安定化LD(1549 nm、アラン分散 0.04 MHz @104 sec)から出射した CW 光を LN位相変調器に入射して、12.5 GHz 間隔の種コム(約50 本)を生成。これをOPSに入射してピコ秒パルスを生成。EDFA とパルス圧縮器でピークパワーを約 800 Wに増幅。このパルスを高非線形ファイバ(HNF)に入射してモード間隔 12.5 GHz のSC光を発生。ZDWが徐々に短波長側にシフトするよう複数種類の HNF(非線形定数:25 /W/km@1550 nm)を接続すると、コムの帯域が短波長側に伸びた。

 

発表題目:電気光学変調器ベース光周波数コムを用いた低位相雑音ミリ波発生
研究機関:NTT 物性研
電気光学変調器ベース光周波数コム(EOM-OFC)を用いて位相雑音を低減。EOM-OFC は CW 半導体レーザー(中心波長 1552 nm)を種光源にし、ミリ波信号発生器から出力される 25 GHz 正弦波で駆動した位相・強度変調器で変調し、EDFA で光増幅した後にガラスブロックで分散補償した後、ピーク強度を高めた光を高非線形ファイバーに入射し、スーパーコンティニューム光(1450-1700 nm)を発生。

 

今後、需要があれば学会期間中にオンタイムでこのようなレポートを書かせてもらおうと思います。